夜の駐車場。

二宮和也と櫻井翔は車から降りると

寄り添いながら

マンションの入り口に向かう通路に向かって

歩いていた。

「今日は冷蔵庫にいいものがあるんだ。」

「何?」

「すんごいうまいキムチ。酒に合うんだ。」

「辛い?」

「ん・・まあまあ・・・。」

「翔、辛いとすぐ汗出るじゃん。」

時折笑い声も聞こえる

幸せそうな二人。

 

そこに

1人の女が現れた。

歳は40~50歳と言ったところだろうか

白髪の長い髪をひとつに結んで

やせこけた頬と

ぎろりとした目に狂気が宿る。

その女性が

無言のまま

二宮と櫻井に向かって走ってくる。

手には

ギラリと光るナイフ。

 

「危ない」

ナイフに気づいた櫻井が

二宮をかばうように体をひねった

「うっ・・・!」

鈍いうめき声が上がる。

櫻井が

二宮にもたれかかる。

「翔!?」

櫻井の重みで二宮も倒れこむ。

赤い血が

櫻井の背中のシャツを染める。

 

二宮が女を睨む。

その目は憎しみにあふれている。

「あんたは・・・なんで・・・。」

二宮は素早く立ち上がり

女に組みかかる。

女を殴り

女が持っていた櫻井を刺したナイフを奪い

 

刺した。

 

「ひぃぃ・・・・。」

今度は女がうめき声をあげ

腹を押さえて倒れこんだ。

 

二宮は女を放置し

すぐに櫻井のもとに向かう。

「翔!翔!」

スマホを出して

急いで救急車を呼ぶ。

「翔!!しっかりして!翔!!」

櫻井の傍らに座り込んで

櫻井の身体をゆすってみても

彼はぐったりして目も開けない。

駐車場の冷たいコンクリートの上に

温かい血液が流れ続ける。

「翔!!翔!!翔・・・・}

 

駐車場に

二宮の悲痛な声が響き渡った。