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櫻井さんとはそれっきり・・・

 

ラインアドレスも交換してあったけど

連絡が来ることもなく

俺からすることもなく・・・

 

一緒に集まっていた仲間から

連絡が来ることがあったけど

俺は既読せず

 

また一人になった。

 

俺は櫻井さんのS高校は受験しなかった。

次の番長の上田を盛り上げてほしいと言われたけど

そうしなかった

 

知り合った仲間たちと疎遠になったこともあるし

 

何より

”S高校の櫻井さん”の名前を

俺の中で永遠にしたかった。

 

俺はA高校に入学し

早速番長の松本を倒して

一年生ながら番長になった。

 

櫻井さんがいなくなった今

もう

このあたりで

俺より強いやつはいない。

上田だって俺にやられてた奴だから。

 

 

 

 

 

悲しんでいても毎日は過ぎる。

櫻井さんを想わない日はないけど

その悲しさは

徐々に忘れていく。

櫻井さんのいない生活にすっかり慣れた。

 

 

それでも

 

 

ラインをする時

まず

もう2度と使わない櫻井さんのアイコンを探す。

まだ

消えていないか確かめる。

 

いつか

 

櫻井さんから連絡があったら

 

俺はリーゼントを決めて

櫻井さんと対決する

そして

俺は櫻井さんに勝って

勝利のキスをもらう。

 

 

そんな夢を見ながら

 

 

もうヤンキーではない櫻井さんの幻影を

俺はいつまでも

追う。

 

 

             おわり