・・・O・・・

 

A高校にのり込んでから一週間。

俺はずっと腑抜けたままだ・・・。

 

「・・・大野さん、大丈夫っすか・・・。」

 

岸が恐る恐る声をかけてくる。

 

 

二宮。

 

あいつにいとも簡単にあしらわれたのが

悔しかった。

はじめは・・・・

そうだった。

 

彼のことで頭がいっぱいになる。

 

なぜあいつはあんなに強いんだ。

鋭い目をしてたな。

あんなに小柄で

色も白くて

ひ弱そうで

人懐こそうに話すときは

くりくりかわいい目だったのに

声もドスの利いた声より

俺たちと話してた時の

きれいな声が忘れられねえ・・・。

笑顔がかわいかったのによ・・・。

 

 

おっといけねえ・・・

 

俺は頭をぶるぶると振る。

 

彼に負けた悔しさから

彼のことを考えると

いつの間にか

かわいいという印象になる。

 

あんなかわいい顔して

あの松本を従えたんだ・・・

 

あいつは何であんなに強いんだ。

鋭い目をして・・・

でも

俺と話してた時は・・・・

 

・・・・・

 

あの日から

ずっとこんな感じの俺は

いったいどうしてしまったんだろう。

 

 

あいつに

惚れたか?

 

 

あの強さに?

容貌とのギャップに?

まさかかわいさに・・?

 

「大野さん・・・もう一度

あいつとやりますか?」

 

「・・・いや。今行ったところで

またボコられるのは目に見えてる。

俺たち3人を一人で倒したんだ。

・・・・ちょっと考える。」

 

「そうっすね。」

 

 

 

そう

俺は考えなきゃいけないんだ。

彼を倒すにはどうすればいいのか。

 

だけど

 

どうする・・・。

 

 

彼のかわいい顔がちらついて

考えがまとまらねえ・・・。

 

悩ましいぜ。

 

 

まず・・・

あいつのことを知らねえとな。

 

俺は彼のことをもっと知りたいと思った。