・・・・M・・・

 

期末テストが終わった。

中学に入ってから2回目のテスト。

一回経験したから

どんなもんかということもわかったし

家でも結構勉強して臨んだけど

やっぱり緊張した。

 

採点が終わって

一番初めに帰ってきたのは

数学のテスト。

85点

平均点が68点だから

俺はまあ、いい点じゃね!?

 

休み時間に

 

カズナリとマサキと涼子と俺で

テストの話で盛り上がる。

 

「どうだった。」

 

「えーもう、ぜんっぜん」

マサキが真っ先に答えた。

 

「わたしはまあまあだった。」

涼子が言って

「潤くんは?」って聞かれたから

 

「おれもまあまあ。」

って答えた。

 

「んふふ・・俺もまあまあだった。」

カズナリが嬉しそうに言った。

 

「なんだよ。みんな。まあまあってどのくらいなんだよ。」

マサキがちょっと不満そうに言った。

 

「だから、まあまあだよ。」

って俺は少しにやついて答えた。

 

「ねえ、みんなで見せっこしない?」

 

突然カズナリが提案した。

見せっこ!?

え、

テスト見せるの?

どうしよう。

ってか中学生になってそんなことする?

でも、みんなの点数はちょっと知りたい。

だけど

自分の点数を見せるのは少し恥ずかしい・・・。

って思ってたら

 

マサキが

「いいよ。見せ合いっこしよう。」

って言った。

マサキは正直者だ!

 

「じゃあ、みんなさっき返ってきたテスト持ってきて。」

 

まだいいって言ってないのに

皆が答案用紙を準備したから

仕方なく俺もカバンにしまった答案用紙を

準備した。

「じゃあ、行くよ。」

 

みんな、ほんとに見せるのかな

 

「せーの!」

 

って言われても俺はまだ迷って

皆が出したら後出ししよう、と思って

同時には出さないことにした。

 

「はい!」

 

 

結局・・・・

 

 

 

テストの答案を出したのは

 

 

カズナリひとりだった。

 

 

98点

 

 

「ええええ・・・

なんで。どうしてみんな出さないんだよ!

どゆこと!?」

 

「あ、ごめん。みんなの様子見てから

後だししようかな・・・なんて思って。」

って言ったら

 

「実は俺も」

 

「私も。」

 

ってマサキと涼子が言った。

 

「ええ、ひどいじゃない。

なんだよ、俺ばかり・・・もう。

見せてよ。見せてよ。」

 

「え・・・今更・・・。」

マサキが言う。

 

「私そんないい点数じゃなかったから。」

涼子も言う。

 

「じゃあ、見せなくていいから点数いってよ!」

 

焦る

カズナリが

かわいい・・・。

 

テストを見せ合うって提案するところも

一人だけ素直に見せるところも

結局誰も見せなくて

ぶーぶーいう

ところも

 

全部が

かわいい。

 

俺はつい笑ってしまう。

カズナリがかわいくて。

 

「潤、潤は何点だったんだよ。」

 

カズナリが

ちょっとむくれて聞く。

 

「ひ、み、つ。」

 

って答えるとカズナリは

「もう!」

って言ってペシッて俺の腕をたたいた。

 

 

彼は

どうしてこんなにかわいいんだろう。

 

そして彼は

頭いいんだな・・・。

 

彼と

一緒にいたいから

俺も

勉強頑張らないと。

 

かわいいカズナリを見て

ゆるゆるにった俺の気を

ちょっと引き締めた。

 

そして

あとで

カズナリに俺の点数教えてあげよう、

って思った。