・・・M・・・

 

俺も「おはよう」と

いつも通り挨拶をする。

すぐにマサキがやってくる。

 

「昨日、二人で恋の話したんだって!」

 

「しー声が大きいよ・・・。」

 

カズナリが慌てた顔で

人差し指を口に当てた。

 

恋の話。

マサキに話したのか・・・。

 

「で、どんな話したんだよ。カズナリは

詳しいこと教えてくれなくて。」

 

「えっと・・。」

 

昨日は

マサキをおいて俺たち二人だけで

会ったんだ。

そりゃあ、マサキは根掘り葉掘り聞きたいはずだ。

 

「恋の・・・悩み・・・相談・・かな。」

 

俺がそういうと

 

「悩み!?それはカズナリの?潤の?どっち?」

 

マサキの焦り方がおかしい・・。

いつもは

俺が何となく勝手に疎外感を感じていたのが

今日はマサキが感じているんだろう。

 

「なんで、二人だったの?俺がいたらまずかったの?」

 

「あ、うん、えっと・・・」

 

俺がどう答えればいいのか迷っていると

 

「たまにはマサキに対して秘密ごとがあるのもいいでしょ?」

 

ってカズナリが言った。

 

「えー!やだよ!そんなの。カズナリのことは

俺が一番よく知ってなきゃならないんだから。」

 

・・・いつも通りの二人の世界が始まった。

 

「ミステリアスな方がかっこよくない?」

 

「いや、そういう事じゃなくて!

もしかして俺じゃ相談できない?」

 

「そんなことないよ!

俺は・・

マサキが一番信用できる・・・。」

 

ほら、

どんな時だって

カズナリはマサキが一番なんだ。

 

いつも通り。

 

マサキはカズナリが好きで

カズナリはマサキが好きで

そして

俺はカズナリに片思い。

 

いつも通り。

 

それは今の自分に

とても心地よかった。

 

これからも

俺は悩むことがたくさんあるんだろう。

たとい報われなくても

カズナリが好きという気持ちを大切にして

またいつか

他の人に

こんな気持ちになることを待とう。

 

いつも通りの日々を

過ごしながら。

 

 

 

                   おわり