行きたかった学校を諦め
その金は全部生活費と
このあとの父親退院後の
様々な出費で瞬殺される
私は就活しながら
日中は派遣の物流倉庫で
夜は掃除の仕事をしていた
物流倉庫はとくに他人と話す必要もなく
ずっとダンボールを作り 潰し
掃除の仕事も冷凍庫の中や
スライサーを解体し
洗浄 消毒など
一人でこなす為
誰とも話すことなく終わる
そんな中でなんだか気味が悪い
出来事が続いた
一日に数十件の無言電話
物流のロッカーに入っていた謎のメモ
私の行く先々に現れる知らない女
車に張り付いていた黒い髪の毛
ここから頻繁に出てくる
ストーカー女が私の事を
何年も苦しめる
女性が女性を好きという人達のことは
とくに否定もしないし
そういう方達がいることは分かっていた
でもね、相手が嫌がっていたり
精神的に苦しむようなことは
誰だってダメだとわかるでしょ
ほんの些細な出来事で惚れられ
勝手に電話番号まで抜き取られ
何年も付きまとわれるとは思わず
警察に相談したけど
無言電話じゃ証拠として足りないとか
なにか外傷はあったの?とか言われ
誰も信用できなくなってしまった
本当に恐怖でしかない
さらに衣装の仕事をしていた時に
その人達とはまた違う人とのことで
なぜかネットにあることないこと
その人と付き合ってるいると
いうデマ情報を出され
ファンの人から誹謗中傷を受け
路地に連れ込まれ殴られ
訳わからないことが頻繁に続いた
家でもボロボロ
外でもボロボロ
電車に乗って端っこに座り
寝ているだけで怒鳴られ
殴られたこともある
ついてないな…と思うしかなかった
それくらいエネルギーがなかった
2ヶ月くらい経ったある日
父親方の祖母が入院しているという
事を知りすぐに父親を退院させた
隣の部屋ではいつの間にか人が死に
生きていても止まっていて
息をしているかわからない人も
中にはいたらしく
毎日変わるパスコード付きの
部屋の中で途方にくれていたらしい
(これは少し話せるようになった父親から
聞いた)
退院してきた久々に見た父親は
トイレの流し方すら忘れていた
やせ細り
うつろな目をしたまま
口を開け
ただぼーっとしたまま動かない
何より風呂の介助が本当に大変で
重いし 動いてくれないし
介護の仕事について学生のときに
一度勉強をしていたので
何とかなったけど
おじいちゃんでもない父親の介護をしてる
自分にも虚しくなり
話しかけても応答もない
座ってるだけかと思ったら
目を離したすきにいなくなり
家の中の刃物を見つけると
身体を切り刻んでしまっていた
急いで刃物を奪い
やめてくれ!死にたい!と
涙やよだれを出しながら訴えて
抵抗する父親を
私も必死に止めた
ふとした拍子に
自殺未遂をしてしまうため
日中は祖母に頼み
夜は階段の踊り場で
椅子に座って止まっている父親を
見張りながら
バスタオルを肩にかけて
仮眠する日々を過ごした