甲府で新羅刹隊に敗れた私達が江戸に戻ってきてからしばらくしてのこと。原田さんと永倉さんが新選組を出て行くことになった。長い間、近藤さんや土方さんと話をした後、黙って出て行こうとした二人を、斎藤さんと島田さんと一緒に玄関先でなんとか見送ることが出来た。



「原田さん…。永倉さん…。」



二人が考え抜いて出した答えが新選組からの離隊。私なんかが口を出していいことではない。



でも…いつからだろう・・・



私は原田さんのことが・・・・・・。



彼も、私を見てくれていたのではなかったのだろうか。あの言葉は…あのまなざしは…あの口づけは…嘘だったのだろうか。



私の表情が歪んでいるのを見て、



「笑えよ。」



原田さんが少し困ったように笑いながら言う。



「笑えません、こんな時に。」



「馬鹿だな。こんな時だからこそ笑ってくれ。」



そして、原田さんは顔を寄せ、私の耳元で囁いてくれた…



「…全てが終わったら必ず迎えに行く。」



「…っ!」



私の目から涙が一筋だけこぼれ、迎えに来ると言ってくれた原田さんの為に笑顔を作った。



「そうやって笑った顔がお前には一番似合うな。」



「…お二人とも、お元気で。」



私は想いを寄せた人を…斎藤さん達は昔からの仲間を見送った。



『原田さん…。必ず、生きてまた会えますよね・・・』



私はこの日から毎日彼らの無事を祈るようになった。不安もあったけれど斎藤さんも、



「心配ない。あの二人なら別の場所でも上手くやるだろう。…殺しても死ぬような奴らではないからな。」



と言ってくれ、私もそう信じていた。原田さんを…。原田さんの最後の言葉を…。



『必ず迎えに行く』








でも・・・



運命の神様は、残酷だった。