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そうやって何も知らずに、持ってきたお茶…ではなく中身は相当な強さのお酒だった。



それを一気に煽ってしまったために、むせて咳き込む。



「こ、これは…酒じゃねぇか…ぐっ。」



「え、そんな。沖田さんが用意してくれていたお茶だと思ったんですけど…。」



「総司の野郎…」



立ち上がって拳を振り上げようとするが、酔いが回って足元がおぼつかない。



そこへ。この状況を作った張本人が、鼻歌交じりに現れた。何故か、後ろには近藤さんや斎藤の姿もある。





「総司、てめぇ!!」



起き上がれない土方が目だけで総司を睨む。



「あれ?土方さん、そんなところでどうしたんですか??」



「どうしたもこうしたも。…あの部屋の仕掛けはなんだ!下手すりゃ死んでたぞ!!」



「でも、こうして生きているじゃないですか♪」



「それと、この…ごほっ…茶じゃねぇ酒はどういうつもりだ!!?」



「どういうつもりって…ねぇ?」



総司が見上げる先は近藤さん。



「トシ。総司もちょっとふざけてやっただけなんだ。正月だし大目に見てはくれんか。」



「だが、近藤さん!」



「…こうでもしないと、あなたは仕事から抜け出せぬだろう…と。」



後ろからそう言ったのは斎藤だった。



「な、に…?!」



「そうだよ。正月早々、仕事して部屋にこもっちゃうなんてつまんないですよ。」



「そうだぞ、トシ。正月は皆でわいわいやるのが一番だ。」



「俺も、新年初振りを終えて、これから広間に行くところです。」



新八たちが改めて酒と肴を用意しているらしい。



「はぁぁぁ。わかった…もういい。」



ったく、こいつらは。総司も総司だが、近藤さんは総司に甘い。そして、斎藤や千鶴は総司に良いように言い含められたのだろう。大方あの三人は総司に弱みでも握られたか。



そんな裏も見える。



だが…すでにふらふらになっていたが、広間で昔なじみと昔話に花を咲かせながら、酒を酌み交わすのも・・・悪くはない。正月だからな…今日くらいは。まぁ、こんな正月があってもいいか。



これから先どうなるかなんて、わからねぇんだしな。

それにしても、どっと疲れた。



「・・・。」



早くも酔いつぶれて寝てしまった土方と、その顔に墨でいたずら書きをしようとして、近藤さんにたしなめられている総司がいて。斎藤は淡々と飲み、左之は腹芸を披露し、新八と平助はそれを見て大笑いをしている。





・・・こうして、賑やかな屯所の元日が怒涛のように過ぎて行った・・・。




おしまい。