一日早いですが、半年記念企画☆みさちゃんさんリクエストによるお話をアップします♪
長くなったので、二日に分けて更新する予定なので、ごゆるりとお楽しみください(-^□^-)
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「…ん…?」
どたどたという足音と何人かのかすかな話し声がする。まだ、窓の外は暗い。夜は明けてねぇはずなんだが…。そっと襖を少しだけ開けて、様子を伺ってみる。
「よし!みんな準備は良いか?」
「ふぁぁ。まだ眠みぃよ~新八っつあん。」
「だよなぁ。まだお天道様も起きてねぇぜ。」
この声は、新八と左之と平助か…あいつら何をする気だ?
「当たり前じゃねぇか。これから、初日の出を見に行くってのに、日が昇ってからじゃおせえだろっ。」
「わーってるよ、新八。それより声がでけぇよ。土方さんにばれちまう。こんな時間に屯所を抜け出すなんて…」
「そーだよ、新八っつぁん。正月早々土方さんのお説教は聞きたくねぇよ。」
「お、そうだったな。すまんすまん。」
「ったく。じゃあ、行くとするか。朝餉の時間までに帰れば問題ねぇだろ。」
・・・・・・
こそこそとして何をするかと思えば。まぁ今日は元旦だ。初日の出を拝みに行くくらい、大目に見てやるか。
「ふぁ…昨夜も遅かったからな。もう一眠りしておくか。」
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『♪♪もういくつ寝ると お正月 お正月には 凧あげて こまをまわして 遊びましょう
早く来い来い お正月
もういくつ寝ると お正月 お正月にはまりついて おいばねついて 遊びましょう
早く来い来い お正月♪♪』
…今日起きたらもうお正月。お正月には何をして過ごそうか。屯所で新選組幹部達はそれぞれの思いを抱いていた。
「…っ!!!」
がばっと布団を剥ぎ、俺は飛び起きる。あれは…夢か。目の前には大きな富士の山、空には鷹が飛んでいるな、と思っていたら、急にナスに棒のささったような化物が襲ってきて…。
「元旦から夢見が悪い…初夢がこれとは、な。なんだか今日は一日嫌な予感がするぞ。」
いつも以上に気を引き締めて、俺は朝餉の支度が出来ているであろう広間へと向かった。
「あ、土方さん。おはようございます…じゃなかった、あけましておめでとうございます!」
「あぁ。…今日の当番はお前だったか?」
「はい。今日はお正月なので、お雑煮にしてみました。」
「良い香りがするな。」
「ふふっ。この出汁は斎藤さんがとってくださったんです。」
「副長の舌に合えばよろしいのですが…。」
斎藤が恐縮していると、
「あぁ。みんなおはよう!そろっているか?」
近藤局長が紋付き袴を来て登場する。
「今日は新年始めだからな。挨拶だけでも、と思ってな。」
全員が居住まいを正す。
「では、新選組幹部の諸君。今年も宜しく頼むぞ。」
「はいっ!」
「…では、さっそく雪村君の作ってくれた雑煮を頂くとしよう。冷めないうちにな。」
ワイワイと和やかに朝餉が始まる。今日ばかりは新八と平助のおかず争奪戦も見られないようだ。平和で何よりだ、と思いながら雑煮をすすった。
「…ねぇ、左之さん…ねぇねぇ…コソッ。」
「ん?…おぅ。」
目の端で総司が何かを原田に耳打ちしている姿が見られたが、関わってもろくなことがないので気付かないふりをする。
「よしっ。今日は元日だ。隊務はすべて休みとするから、各々自由に過ごしてくれ。」
皆があらかた食べ終わった頃、近藤さんがそう号令をかけるやいなや、いつもの3人や総司が何やかんや言いながら広間を出て行った。
残った者で、雪村の淹れてくれたお茶をすする。
「…では。俺もここで。」
「斎藤。今日お前はどうするんだ?」
「今日は、刀の手入れをして、道場で新年初振りをしようと思っています。」
嬉しそうな顔をして斎藤はそう話す。
「そうか。じゃぁ俺も…」
実は昨年のうちに終えられなかった書類や書かなければならない文がまだ残っている。こいつを今のうちに少しは片付けておかねぇと…そう思って立ち上がったところ、近藤さんに声を掛けられた。
「おい、トシ。今日くらいは仕事を忘れて、ゆっくりするんだぞ?」
「…ふっ。わかったよ、近藤さん。ほどほどにするさ。」
昨夜のうちに降った雪が庭にうっすらと積もり、今朝の太陽に照らされて眩しいくらいに光っている。遠くの方からは子どもたちの声が聞こえる。
そんな穏やかに見える正月の朝。
このまま穏やかに一日が過ぎていくだろう…と思う者と、このまま穏やかに過ごしてなるものかと企む者がそこにはいた。