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「あれ~。これ、楽だと思っていたんだけど…」
面倒な雪かきを避けて、車の雪下ろしをしていた総司だったが、ずっと上を向いているためだんだんと首が痛くなり、辛くなってきた。それに…
「ふぅ…冷たいなぁ。」
手袋を忘れてしまったので、素手でやっていた総司の手はしもやけで真っ赤だ。もう感覚がなくなってきて、冷たいと言うより、痛い。
「あ!!」
そこへ、背の小さい先生が一人声を上げて近づいてきた。
「ん?」
「沖田さん、手袋ないんですか??」
「あぁ。忘れちゃったんだ。」
「もう~言ってくれればいいのに!私、もう一つあったんです。…はい、これでよかったら使ってください。」
「…あ、ありがとう。」
「どういたしまして。」
その子の笑顔と小さな手袋の温かさに、胸がきゅんとなる。何なんだろう…この感覚。
「あの、沖田さん。私も雪下ろしのお手伝いをできたらいいんですけど、私、背…足りなくて。」
その子が困ったように言うから…
「あはは~確かにせんせ、ちっちゃいもんね。」
なんだか意地悪したくなっちゃう。
「もうっ。じゃぁ私は他のとこ手伝ってきますので…。」
「うん。そうだね~。」
僕はひらひらと手を振る。もう行っちゃうのか…。
「あ…今日はホントにありがとうございます。」
ぺこっと頭を下げるその子を見て、こういうのも悪くないなって思ったのは、皆には内緒だよ。
それから総司は、ふんふんと鼻歌交じりに20台すべての車の雪下ろしを終えた。
「さぁ。手袋のお礼に何をしてあげよっかな。」
いつもの土方さんへの悪戯を考えるより、なんだかワクワクする総司なのでした。
5へ続く。