黙り込んだ俺の顔を見上げるようにして、胡坐をかいた膝に頬杖を突きながら、
「でも…そういう一くんは僕、好きだよ?」
「な…っ。」
いきなり何を言い出すのだ、この男は。やはりよく分からない。剣の腕前は人一倍あって、局長も副長も信頼している。だが、いつも子どものような言動でその二人を困らせている姿を見ると…いった何がしたいのか、とも思う。
その上、この俺を屈託のないその笑顔で、好きだと言う。
全く、俺には理解のできぬ人種…そう思っていたのだが…
「僕も、浪士を斬った日、夢に見るよ…。お前は穢れている…とか。お前のせいで…とか。もう…うざいよね。」
そう言って笑う横顔には、わずかに憂いが見てとれた。
そうか…総司も…か。
そう思ったら、胸のつかえが取れたような気がした。そして、総司の前に腰を下ろした。
「あんたも…か。」
俺は、目の前で俯く総司の頭に手を乗せ、ひと撫でする。なんだか今の総司を見ていたら、そうしてやりたいと自然と手が動いたのだ。けれど、こんなこと今までしたことなどない。やってしまってからなんだか気恥ずかしくなり、思わず横を向いた。
「一くん…。一くんの手、あったかい。」
総司もくすぐったそうに笑った。そして、俺の手をぎゅっと握って、
「…この手は穢れてなんかない。僕たちは、自分のやるべきことをしているだけだ。」
大人びた目でまっすぐ俺の目を見て、総司は言った。
「…そうだな。」
もう一度、俺は覚悟を決める。
新選組の為、一緒に闘っている仲間の為に、俺はこの剣を振るおう。それが、俺の…新選組三番組組長齊藤一のやるべきことだ。
「あーあ。遅くなっちゃった。新八さん、きっと怒ってるよー。」
総司が一瞬流れた真剣な空気をあえて崩すような大げさな声で言う。新八のその姿が目に浮かぶようで、俺は目を細めた。
「まぁ、そうだろうな。」
「それも…一くんのせいだからね。」
「俺の?…まぁ、そう言われればそうなのかもしれないが。」
「冗談だよ。…一緒に謝ってあげるよ。仕方ないからね。」
「…どうした?今日はやけに素直なのだな?」
「えー…僕はいつでも素直だけど?」
「・・・。」
こんな他愛もない会話ができる分、今は平和なのかもしれない。
時勢は動いていて、この先どこへ流れていくのか、俺には分からない。
でも・・・
総司の、この笑顔は…失くさせてはならない。と思う。総司を息子や弟のように想っている近藤さんや土方さんの為に…
いや…俺自身の為に・・・。
-fin-
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いかがでしたか??σ(^_^;)
でも。こういう一くんも…私も好きなんですよね~☆
きっと心の中で葛藤したこともあったと思うんだ。人を斬って何とも思わない人達ではないと思うから。
そんな一くんたちの深層心理と、沖×斎の可愛い絡みが書きたくって…こんなお話になりましたw
読んでくれて、ありがとうございました☆☆