「副長…これは!…副長、どうかされましたか?」
一くんだった。一くんがやってきたのを見て、土方さんは少しほっとしたようだった。
「…斎藤か。いいところへ…。どうしたもこうしたも…こいつらを何とかしてくれ!」
「!」
「…山南さん!と、それは総司か?!…その格好はいったい??!」
「一くんも知らないの?はろうぃんだよ。」
「とりっくおあとりーと…土方くんがお菓子をくれないのでいたずらをしているだけですよ。」
僕と山南さんは二人で説明してあげた。
「そうか…あの時お前が考えていたのは、これだったのだな…」
巡回帰りのことを言ってるのかな?ぶつぶつと一くんは呟いて、はぁと一つため息をついた。
「総司…お前のいたずらはいつものことだが…今回は度が過ぎるのではないか?それに山南さんまで…。」
一くんに冷たくそう言われて、僕はちょっといいことを思いついた。
「ふうん。こんなに面白い遊びなのに…そんなこと言ってると、一くんにも言ってやるよ。『とりっくおあとりーと』!!」
「…っ!」
髑髏の顔をグイッと一くんに近づけて、怯んだところで、
「…その襟巻。頂きっ!」
「な、何をする!総司…返せ!!」
「あーあ。お菓子を頂けないと斎藤君にもいたずらをするしかないですねぇ。」
仕方ないです、という顔で山南さんは笑っていた。
「嫌だよー。…代わりにこれでも被ってなよ♪」
襟巻の代わりに一くんには…仮装道具の一つをがバッと頭からかぶせてあげた。
それは…
「なるほど~…“狼男”ですか!」
「んっ…んー!」(何、取れない…!)
大きさがちょうどよかったせいか、無理やりかぶせられたそれを一くんは取ることが出来ずに唸っていた。
「うん。ぴったりでしょ♪」
「そうですね~適役です。」
「あはは。似合ってるよ~一くん♪」
僕と山南さんは、何とか狼男のかぶり物くを外そうとして転げまわっている一くんを見て、その姿がおかしくて、お腹を抱えて笑っていた。そうして、ちょっと油断していた隙に…
「…斎藤、すまん!」
土方さんがそーっと近づいていて、さっと僕が手に持っていた句集を取り上げられた。そして、がしっと腕を掴まれる。
「あ、もう!土方さんっ」
「何が“もう!”だ。…これは返してもらうぞ。それからちょっとこっちへ来てもらおうか…もちろんあんたもだ、山南さん!」
自分だけ逃げ出そうとしていた山南さんも捕まって、僕たちはその後土方さんの部屋で正座をさせられて、延々と説教を聞かせられた。
(…ちぇ。次はもっとうまくやるぞ♪)
ようやく解放されて部屋を出る頃には僕たちの足はかなりしびれてしまっていた。
ただ、説教を聞きながらも僕の頭の中は、どうやって更なるいたずらを企てようかということでいっぱいだったけど。
~続~
☆土方さん編『土方の葛藤』
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☆山南さん編『一夜の夢』
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☆斎藤さん編『頑張れ!斎藤さん
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