★前編に行く。

★中編に行く。



会うたびにそんな甘々なデートをしたり、時々けんかをしたりして、週末は必ずどちらかの家にいるようになって…さらに半年後。



付き合って一年の記念日に、私達は一緒に輝く満月を見上げていた。





「本当、今日の月は大きくて…いつもより近くて、今にも手が届きそう。」



私がなおも感嘆の声を上げていると、



「…それなら、今俺が月の欠片を取って来てやろうか?」



土方さんが少し真剣な顔になって、一歩前に出る。



「え…。」



土方さんが言うと冗談に聞こえない…と思いながら、私はその背中を見つめていると、土方さんは右手を月に向かって伸ばして…



「…よし。取れたぞ。」



「えっ?!」



「手、出せ。」



まさか…と思いつつ、素直に両手を器のようにして前に出す。そして、その手の中に…



ころん。



土方さんは、何かを落とし入れる。



「これは…」



それは、きらっと光る…宝石のついた指輪だった。



いつもの笑みはその顔にはなく、真剣な顔で土方さんは言う。



「美里…。これからもずっと、俺の傍にいてくれ。」



そして、固まっている私の手を取ると、その指輪を私の左手の薬指にはめてくれる。



「…っ。」



ぽろり、と私の目から涙がこぼれる。土方さんはそんな私の頭をいつものようにポンポンと撫でて、私の髪を優しく梳いた後…



「美里。…愛してる。」



そう言いながら、ぎゅっと抱きしめる。嬉しさに涙を流しながら、私がその背中に手を回すと、抱きしめる力はさらに強くなった。



“絶対に離さない。離れない。”



言葉はなかったけれど、そんな土方さんの気持ちが伝わってきた。



「返事は?」



その声に顔を上げると、いつもの笑みを浮かべた土方さんの顔が間近にあって、心臓の鼓動がさらに激しくなる。きっとその音は彼にも聞こえてしまっているのだろう。



「私も…ずっと傍にいたい…土方さんが…っ」



私が言葉を最後まで紡ぐ前に、熱のこもった唇でそれをふさがれる。



「ん…ふっ…。」



甘い痺れが体中を巡る。唇から、抱きしめるその腕から、土方さんの熱が私にうつる。私も、不器用に舌を絡ませて、それに応える。



口づけをし、互いに熱っぽい目で見つめ合った後、私は彼の胸にその身を預けていた。土方さんはまた優しく髪を撫でてくれている。



その腕の中で、私は左薬指にはめられた指輪を、満月に掲げて見た。



「…ほんとに、あそこから拾ってきたの?」



あえてキラキラした笑顔でそう聞くと、



「うっ…」



土方さんは顔を真っ赤にして、



「もうそれは言うな。後輩の原田のやつが、な・・・」



『土方さん、それ、エンゲージリングですか?もしかして今日…』



用意しておいたその箱を鞄にしまうところを目ざとく見つけられてな…。と苦笑いしながら土方さんは話してくれる。



『だったら、今日は満月ですし。月の欠片を取ってやるとか言って渡してやったら、女性は喜びますよ~。』



なんて言うもんだから…つい、な。



そう言って、頭を掻きながら照れている姿があまりにも珍しかったので、



「ふふっ…」



思わず吹き出して笑ってしまった。慣れないことをするからだ。でも…



「ありがとう…そんなに想ってもらえて、すっごく嬉しい。」



土方さんが好きだと言ってくれた笑顔で、私はそう言った。



「私も、歳三さんのこと…愛してる。」



「…っ!」



初めて下の名前で呼んだから…歳三さんは一瞬目を大きく開いたが、すぐにそれを細めて愛おしそうに私を見て…



「あぁ。美里…お前をずっと愛すると、あの月に誓う。俺達はこれからもずっと、一緒だ。」



そっと甘い口づけをくれた。





中秋の満月が輝く夜。



月明かりが私達を優しく照らす中で、私達は未来を誓い合った。



来年も再来年も、こうして一緒に月を愛でることを…。









Fin.










☆かいふぅママさんからのリクエストを参考にさせてもらいながら、いつもより甘めに仕上げてみました(*^▽^*)


今夜はもしかしたら台風の影響で、雨かもしれませんが、今年の十五夜(それが今日なんです!)に合わせて贈ります…莉愛より感謝と愛を込めてラブラブ