ここからまた土方くん視点になります。美咲の部屋で目覚めた後からのお話です。
この直前は【魂の記憶~土方side~17】 になってます。
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気づいたら朝で…見知らぬ部屋のソファに寝ていた。
「ここは…?」
起き上がろうとすると、頭がずんっと痛んだ。体もだるい。これは…完全な二日酔いだろう。でも、あの店で酔いつぶれて…そのあとどうしたのか、まったく記憶がない。
向こうの方で、物音が聞こえる。誰か、いるのか?
・・・・・
「!あ、起きた?」
目の前にお玉を片手に現れた女を見て、俺は、目が点になった。
「…なんで…?!」
「やっぱり、覚えてないよねぇ。」
そいつはあからさまに大きなため息をついた。昨日、俺はふらっとバーに入って、しこたま酒を飲んで…
「み、水沢…美咲?!」
「お、そこは覚えてるのね~よかった。」
あのバーで、原口に無理やり連れて行かれた合コンで知り合った水沢と再会して確かに一緒に飲んだことは…覚えている。だが、何で、俺はその女の部屋で寝ていたんだ?
ふっと気になって…俺は着ているものを確認する。
「…やってないわよ?」
その行動を見て、俺が何を考えたのかを悟った水沢は薄笑いを浮かべてそう言った。
「って、おまっ…」
女の言い方じゃねぇ…どことなくあの姉を思い出して、何故か俺はいたたまれなくなった。
「まぁ、何にもなかった、わけではないけどね。」
そう言って笑った水沢の顔は、どこことなく寂しそうにも見える…。
「土方くんさ。昨日、バーで酔っぱらって寝ちゃったから、タクシーに乗って送って行こうと思ったんだけど、あなたの家わからないから、私の家に連れてきたってわけ。」
一応、タクシーの中であなたに住所を聞いたんだけど…とても答えられる状態じゃなかったから仕方なくね、と水沢は言った。
「そうか…それはすまなかった。」
俺は頭を下げた。
「…何か迷惑、掛けなかったか?」
今まで記憶がなくなるほど飲んだことはない。だからこそ、泥酔した自分がどうなってしまうのか想像がつかなかった。周りや自分の衣服を見ても、嘔吐したような形跡はなく、それにはほっとしたが。
「まぁ、その話は後にして…朝ごはん、食べるよね?」
「…あぁ。」
正直二日酔いで食欲はなかったが、こんな状況でいらないとは言えない。
「二日酔いの時はこれが一番よ♪」
そう言って水沢が出してくれたのは、蜆の味噌汁だった。
「…うまい。」
一口飲んで思わずそう呟くと、水沢は嬉しそうに笑った。
味噌汁とトースト、という和洋折衷のような朝ごはんを、知り合ったばかりの二人で食べる、というのはどうしても違和感が拭えないが、美味かったことは確かだ。ただ、食べ終わるとどうも手持無沙汰になり、俺は黙って水沢が片づけをしている様子を眺めていた。