「・・・」
それから、彼の手を引いてリビングまで移動した。
彼は熱に浮かされたような目をして…ギュッと私を抱きしめる。私は、足元のおぼつかない彼に、傍らにあったソファに押し倒される形になった。
「…んっ…ん…」
まるで失った何かを求めるように彼は、何度もキスを繰り返す。私もそれに応えるようにして…舌を絡ませ合う。
その熱に浮かされながら…
…このまま、付き合ってもいない彼と、してしまって…いいの?
頭のどこかで、誰かが止めようとする。でも…彼と共に普段より多めに飲んだお酒が私の理性を少し失わせていた。
「土方くんっ…」
そう名前を呼んで手を握ると、彼は私を見つめながら…
「…っる…」
「え…」
「ち…づる…」
…確かに、そう言った。
「…っ!」
そう。原口くんから聞いた女の人の名前。
私が固まっていると、彼はとろんとした目になり、どさっと私に覆いかぶさると…スース―と規則正しい寝息を立てて、今度は深い眠りに落ちていってしまった。
私は、彼の重さを感じながら、少しの間そこから動けずにいた。
「ははっ…。」
・・ほんと、何やってるんだろう…私。
もしかしたら、私も寂しかったのかもしれない。運命の人が見つからない焦りもあったのかもしれない。
さっきは、“土方くんとだったらいいな”なんて思ってしまったけれど、彼が眠ってくれてよかった。踏み込んでしまっていたら、きっと抜け出せない。
彼には特別な人がいるのに…。
良かった…今ならまだ…大丈夫。
それから、私は眠ってしまった彼を起こさないように、そっと下から抜け出し、寝室から毛布を持ってきて彼に掛けた。
自分は、キッチンに行って水を飲んでから、普段通りシャワーを浴びて…ベッドに入るとすぐに睡魔が襲ってきて、朝までぐっすり眠った。
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目が覚めると、いつもの時間だった。今日は休みだからもう少し寝ようかな…と思ったところで、昨夜のことを思い出し、そっとリビングへ向かう。
「あ…。」
ソファで眠る彼を見て、夢ではなかったんだと思う。
「てか…寝相、悪っ」
せっかく掛けた毛布は床に落ちてしまっているし、よくそんな格好で寝られるなというくらい、片足だけなぜかソファの背もたれの上に置かれている。
「あははっ。」
それを見て穏やかに笑える自分がいて、私は彼への気持ちに気づけたような気がした。
「弟がいたら…こんな感じなのかなぁ♪」
そう思うと心が軽くなって…私は朝ごはんの支度をしようと思いキッチンへ向かった。
“彼を、あそこに連れて行こう。”
…と、勝手に今日の予定を決めながら―――
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美咲視点での~美咲の想い~はここで終わりです^^*
でも、もう少しだけ、美咲にお付き合いくださいね☆