「俺は、お前の笑顔が好きだ」
「…っ。」
そっと手が頬に触れ、わたしは土方さんから目をそらせずにいると、唇に一瞬温かいものが触れた。
「…目くらい、閉じろよ。」
そう言ってフッと笑う土方さんは、なんていうか、とても色っぽかった。
かーっとすべての熱が顔中に集まってくる。
「だって…急で…。」
「急じゃなければいいのか?」
「土方さ…ん。」
「トシだ。」
「…トシ、さん…。」
ドキドキしながら、初めて名前で呼ぶと、トシさんは嬉しそうに笑った。
「目、閉じろよ。」
すっと抱き寄せられ、わたしは言われるままに目を閉じた。
「良い子だ。」
さっきよりも少し長く触れ合って、わたしの唇にトシさんの熱がうつった。
「お前は…?」
「…?」
そっと目を開けると、いたずらを思いついた子どものような目でわたしの顔覗き込んでいるトシさんの顔が目の前にあった。
「お前は、俺のことをどう思ってんだ?」
「わたしも…」
「ひじか…トシさんが、好きです…っ」
顔を見られるのが恥ずかしくて、Tシャツを掴んで顔うずめながら、想いを言葉にした。その途端、さっきとは別の意味で涙が溢れそうになった。
その言葉に応えるように、トシさんは力強く抱きしめてくれ、よしよしと頭を撫でてくれた。
こんな子ども扱いなら、悪くないな。
「ねぇ、トシさん…」
「なんだ?」
「また、来年も一緒に来たいです…」
「あぁ。」
その間も、ドォンッと夏の夜空にはたくさんの華が咲き乱れていた。