目を覚ますと、私は自分のベットに寝ていた。喪服ではなく、いつもの部屋着を着ている。
あれは、全部夢だったのだろうか。私はずっとここで眠っていたのだろうか。
そこへ、カチャッと部屋の扉が開いて、祖母が入ってきた。
「よかったわ。目を覚ましたのね。」
「え?」
「あなたが境内で倒れていたと、誠神社の神主さまが連絡をくれて、家まで連れてきてくださったのよ。」
祖母の言葉で、私はすべてを悟った。・・・あれは夢であって夢ではない、と。
「きっと、あなたの心には大きな負荷がかかったのだろうと、神主さまがおっしゃっていたわ。・・・本当に源さんが大好きだったものね。」
そういう祖母の顔にも疲れと悲しみが浮かんでいる。私だけが辛いのではないのだ。
「おばあちゃん、心配かけてごめんね。私は大丈夫だよ。おばあちゃんも、ちゃんと休んでね。」
ありがとう、と祖母は微笑み、祖父の部屋から遺言書とは別に私宛の手紙が出てきたから、落ち着いたら読んであげてと言って、部屋を出て行った。
「源じいちゃんからの手紙か…。」
枕元の電気を点けて、私はその手紙をさっそく読み出した。
【親愛なる千鶴へ
お前がこれを読んでいるということはもう私はこの世にはいないであろう。だが、どうしてもお前に伝えておかなければならないことがある。
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