「小さい頃から源じいちゃんは、私にたくさんのものをくれたのに、私は何も返せてない…っ。もっともっと・・・。」

“生きていてほしかった・・・”

それ以上は言葉にならなかった。涙が溢れ、再び意識が遠のいていった。

「おい!大丈夫かっ??・・・千鶴ッ!」

上の方で土方さんの声が…名乗ってないはずの私の名前を呼ぶ声がかすかに聞こえ、やがて何も聞こえなくなった。


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静かな森の中。遠くの方では銃声らしき音が聞こえる。
そこにいるのは・・・また、“わたし”だ。侍のような恰好をした男の人と何か話している。

『…何だか源さんの手って、父様みたい。』

祖父と同じ名前が聞こえ、はっとして耳を澄ませる。

『父様か…本来であれば私にも君くらいの娘がいてもおかしくないのだったね。』

そういって微笑む男の人の笑顔は、私がよく知っている祖父のそれと同じだった。
失礼なことを言ったかと慌てる“わたし”にその男の人は首を横に振って、

『いや、君みたいに可愛い娘なら大歓迎だ。』

と、“わたし”の頭を撫でていた。
姿かたちは違うのに、目の前に亡くなったはずの祖父がいて微笑んでいるように見えた。

「源じいちゃん…っ」

再び溢れそうになった涙を拭ってから、再び前を見やると・・・


『早く、逃げなさいっ!』

突然現れた敵と刃を向け合っている“祖父”の姿が目に入った。

『でも・・・っ。』

『雪村くん!!』

と、ためらう“わたし”に、叱責するような声が飛ぶ。

『逃げて、そして、土方くんに伝えてくれ。…最後まで共に在れなかったことを許してほしい。こんな私を京まで連れてきてくれて、大きな夢を見させてくれて、感謝してもしきれない、とね。』

“祖父”は“わたし”にいつも通りの微笑みを向けた。そして、

『うぉぉぉぉぉぉー・・・!!』

気迫と共に敵へ向かっていった。敵、あれは…あの鬼だ!と思った瞬間、“祖父”の身体からおびただしい量の血が噴き出した。

『「…いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」』

私と“わたし”の悲鳴が重なって、私の目の前は再び真っ白になって、倒れていった。


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