私はおじいちゃんっ子だった・・・
仕事が忙しく家を空けがちだった両親に代わって、祖父と祖母が私を育ててくれたようなものだった。
特にいつも優しく話をしてくれる祖父が、私は大好きだった。


そんな優しい祖父が、ある日突然、逝ってしまった・・・
私が地元の大学に入学してすぐのことだった。


ちょうど、大学に行って家にいなかった私は、祖父の最期を看取ることができなかった。
だから、祖父の最期の言葉は祖母が教えてくれた。

「千鶴、千鶴と息を引き取る瞬間まで言っていたわ。“まこと”の女性に・・・と。」

その言葉を聞いて、私は昔祖父がお酒を飲みながら話してくれたことを思い出した。
“誠”の旗を掲げた本物の武士、新選組の話を・・・。

「それにしても、」

祖母がふと寂しそうに微笑んで、

「最後の最期まで、あの人は孫が可愛くて仕方なかったのね。・・・妻よりも。
・・・ちょっと妬けちゃうわね。」

と、今にも泣き出しそうな私の手を握った。