これでラストになるかな(*^v^*)
さぁ行きましょ~⑥♪
***********
「…あれ?それ、どうしたんですか?」
斎藤さんの手に茶色い包みが握られているのが見えた。
すると…
「う…。こ、これはだな。」
急に慌て、しどろもどろになった斎藤さんの頬が、
ほんのりと色付いたように見える。
その様子を見て、どうしたんだろうと思うやいなや、
「あ、もしかして…やっぱり風邪を引かれてしまいましたか?
熱が上がってきたのでは…」
と、駆け寄りその額に手を当てようとすると…
今度は斎藤さんが、後退りをして、言った。
「ち、違う、そうではない!」
そして、その声に驚く私の目の前に、持っていた包みを差し出した。
「これは……土産だ。」
今にも消えてしまいそうな小さな声で、顔を背けたまま、斎藤さんは私に向けて手を出し…
早く受け取れ、とその目が訴えていた。
「えっ、あ…ありがとうございます…。
…開けてもいいですか?」
「…ぁぁ。」
斎藤さんは頷いてくれたが、腕を組み、まだ顔を背けたままだ。
その表情はいつもと変わらない淡々としたものに見えたが、
その頬は心なしか、やはり赤くなってる気がした。
「あっ…。」
包みを開くと、中に入っていたのは…
簪だった。
精巧な造りで、星型の飾りが付いている。
「これ…」
どうしたんですか、と尋ねようとすると、
「せっかくの七夕が、雨では…な。」
斎藤さんが呟くように言ったので、
そんなことは今は聞かないでおこうと思った。
真っ直ぐで不器用な斎藤さんは、きっと答えてはくれないだろう。
でもそれで、構わなかった。
「・・・斎藤さん、」
「なんだ?」
「ありがとうございます。…とても、嬉しいです。」
「…そうか。」
何も言わなかっただけで、斎藤さんは私のことを見ていてくれたのかもしれない。
気にかけてくれていたのかもしれない。
今は、そう思うだけで頬が緩んでしまう。
涙雨の降る七夕の空の代わりに、斎藤さんは私の心に天の川をかけてくれた。
たくさんの星が瞬く天の川のように、
私の心も幸せの光でいっぱいだった。
*******お終い*