おっはようございます。






胸がザワザワした日のこと。



他の誰かがまぶしく見えて、
自分がちっぽけに思えて。



そんな気持ちになったときに浮かんだ
小さな物語があります。




絵本にできたらいいな、なんて思いながら
綴ってみました。




よかったら読んでください。



ーーー



カピちゃんは小さなリンゴを持っていました。


可愛くて大好きで、幸せでした。



ある日、目の前にたくさんの大きなリンゴを
持っている人を見ました。


その人はキラキラと輝いて笑っています。



カピちゃんは急に、自分の持ったリンゴが
みすぼらしいものに感じました。


さっきまで大好きだったそのリンゴが
なんだか恥ずかしく思えて、
そっと背中に隠したのです。



「わたしのリンゴ、ちっちゃいな。
あの人より赤くもないし、ツヤもない。
あの人のリンゴはたくさんあって、
しかもきれいで美味しそうだもん。」



カピちゃんは、ぽつんと立ち尽くしました。


そのとき、小さな声が聞こえたのです。



「わたしを忘れちゃったの?」



びっくりして見ると、
カピちゃんの小さなリンゴが
ほんのりあたたかく光っていました。



「カピちゃんが笑ったとき、
わたしも一緒に笑ってたよ。
カピちゃんが泣いたとき、ぎゅっと
握ってくれた手のぬくもり、ちゃんと覚えてる。」



カピちゃんは、そっとリンゴを見つめました。


そこには、少しだけ傷がついていて、
だけど、とってもやさしい色をしていました。



「わたしのリンゴ、
世界でひとつだけの、わたしのともだち。」



そう思ったとき、カピちゃんのリンゴが
じんわりと赤く、ツヤツヤに光ったのです。



大きくはないけれど、まばゆいほどの光。




そしてカピちゃんは、
あの人のリンゴも、ふと見つめました。


そしたらね、不思議とこう思えたのです。



「たくさん持ってるその人も、
きっと大事にしてきたんだろうな。
それって、素敵なことだな。」



比べなくていい。恥じなくてもいい。


わたしはわたしのリンゴと一緒に
生きていける。



カピちゃんは、ふふっと笑って
またリンゴをぎゅっと抱きしめました。



その笑顔は、リンゴのようにやさしくて、
とびきりキラキラしていました。