1978年の香港の様子が描かれているエッセイ。

最近再販されたとのことで、買う前に借りました。

 

 

1976年に初めて香港に行った筆者が、1978年に香港に住むために横浜から船で上陸。1年間香港に住んでみての感想ですね。

深夜特急が1974年だから、そのちょっとあとですね。70年代の香港は私の知っている香港とはちょっと違って、憧れの古き良き香港って感じ。ああ〜行ってみたい。

 

深夜特急で沢木さんがスターフェリーを何往復もしたってり、どのくらいかかったのか書いてあったと思うけど覚えてない。でもこのエッセイでは8分って書いてありました。私が香港に通ってる時は7分だったと思うんだけど。それだけヴィクトリア湾が狭くなったってことですね。今はもっと狭くなっているので、6分くらい? と思ってネットで調べたら8分〜12分、5分〜7分とか、サイトによってだいぶ違うのでどれが本当かわかりませんが、多分5分てのが正解じゃないかと。早く着きすぎるのはつまらないなぁ。それに中環のフェリーターミナルから街中まで出るのに距離が延びて歩くとめっちゃ時間かかるようになったし。

 

香港で昭和15年に発売された日本語ー広東語会話集、という本をゲットしたんですって。日本が香港に攻め入る一年前に出たとかで、よくぞ30年以上も本屋に残っていたのもだと感心するばかりです。もしかしたらそれより前に出たものかもしれないみたい。ちょっとチラ見したいです。これに表記されている日本語の文章が乱暴で笑える。

 

韓国では犬を食べるってことで非難されてますけど、この本にも犬鍋について書かれていました! イギリス統治下では禁止されてるけど…的な書き方ってことは、今では合法? 猫はもちろん禁止ってあったけど、確かに犬鍋の話は聞くけど猫鍋はないなぁ。なんでだろう。犬鍋について検索してみたら、日本でも昔犬食べていたみたいですね。ヒポクラテスにもあったし。生類憐れみの令で食べなくなったとか? 本当かしら。

 

あまり日本を知らないイギリス贔屓の香港人が「着物の帯の丸い部分に死んだ両親の骨が入ってるって本当?」て言う噂には驚きですな。筆者が「遺骨を白い布で包んで胸の前にぶら下げる姿が誤って伝わったのだろう」と推測を話すと納得したそうですが、ほんと、どこからそんな噂が流れたのやら。とは言え、私が子供の頃は「香港の試着室」の都市伝説は誰でも知ってる話でしたよね。この香港に売られる、と言うのは日活映画から来たようです。売られる先の香港は九龍城だったようで、なるほど、と思いました。

 

南Y島のことも書いてありました。一度しか行ってないから、今度行った時はハイキングコースを縦断したいです。建物はみんな3階建てで、ニョキニョキと高層ビルがたつ香港の街中とは全く違う装いで、のんびりできるところですよね〜。

 

私の行ったことのない70年代の香港が描かれております。今は随分埋め立てが進んで街も変わって、筆者が知ってる香港とは全く違う都市になっているんだろうと思うんですけど、香港の街中を思い出して「ああ〜あのあたりはそんなだったのか〜」とか「そうそう、昔はパジャマで街に出る人いたわ!」とか、私の知ってる香港とすり合わせて楽しく読みました。

ただ、オーシャンターミナルがスターフェリーの東側に着く、とあって、東…東? となりました。西じゃなくて東? それともスターフェリーの場所が変わったの? この当時の地図があればじっくり見たいですね。

 

妹尾河童の解説も面白かったです。香港好きの人は読んだら楽しい気分になります♪