⋆̩☂︎*̣̩名もなき声


茜色に染まる廃ビルの上で

錆びた鉄塔を見下し

「人生なんてこんなもの」

大人ぶってそんな台詞をつぶやいた

空虚感に満ちた僕の声に 髑髏は笑った


雨に濡れながら

醜い声が溢れて 黒に染まった

脆く朽ち果て行く声に

耳を傾ける人もなくて哀しき僕の声は茜色に消えてった


名もなき拙い声が 聞こえてますか?

どこに行ってしまったの?

きっと きっと 涙の湖の

髑髏に食われてしまったんだ

どれだけ叫んでも 届かない声達よ

髑髏にKissしておやすみ


弱虫な僕

いつも笑顔の仮面を張りつけては

大丈夫をぶら下げた

霧のように濁った本当の声は

埃を被ったまま 涙の湖に沈んでゆく


名もなき拙い声が 聞こえてますか?

どこに行ってしまったの?

きっと きっと 涙の湖の

髑髏に食われてしまったんだ

どれだけ叫んでも 届かない声達よ

髑髏にKissしておやすみ


嘘を重ねた髑髏に成り果てて

さぁ今夜も嘘つきな僕は笑いながら

「こんな世界」と嘆いてさよなら