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続・NYスポーツビジネス留学挑戦記録 -No Pain, No Gain-

フルブライト奨学生としてNew York Universityに留学したアラサー女のその後

すっかり書くのをサボってしまいました。

というのも、3月頭の1週間は日本から大学生のツアーが来ていて、
そのアテンドとしてお手伝いさせていただいてました。

題して、NYスポーツビジネス視察ツアー。

主催は日経ビジネスなどで連載コラムを執筆されている
鈴木友也さんのトランスインサイト社。本ツアーは今年で6年目だそうです。

実は夏にも同様のツアーがあり、そちらもお手伝いしたんですが、
なにせ当時は学校が始まったばかりで全く余裕がなく、
私としては今回初めてのほぼフル参加となりました。

話はズレますが、鈴木友也さんといえばスポーツビジネスにおけるコンサルタントとしては
パイオニアの1人で、尚且つ、かつて私に間接的に留学をそそのかした張本人です。

振り返れば学生時代、ひょんことから手にしたのが鈴木さんの著書で、
そこにはアメリカの大学院でスポーツビジネスを学ぶことの意義や、
そこまでの道筋が具体的に、酸いも甘いも事細かに書かれていたのです。

題してスポーツ経営学ガイドBOOK
大学院留学を考えたきっかけのひとつは、間違いなくこの本でした。

その後社会人として修行することを選んだ私ですが、
会社に入ってからも鈴木さんのスポーツビジネスコラムは読み続け、
いつかお会いしてみたいと一方的に思い続けていた方だったのです。

そして受験生活も終盤の2014年2月。
大学の恩師である原田先生から紹介したい人がいると声をかけられ、
食事会にご一緒させて頂いた折に現れたのがなんと、その鈴木さん。

かくかくしかじか、原田先生のお口添えもあり、
鈴木さんからNYUの先生をご紹介頂き「入学させてー!」と直談判メールをし、
晴れて今NYに来させて頂いているわけです。

そんな、私から見たら雲の上的な存在だった鈴木さんですが、
今ではありがたいことにお陰で(主に酒仲間として)大変お世話になっております。

スポーツビジネス、ということに関して言えば
私はどちらかというと現場思考ですし、早く現場出たーい!と思いながら、
かなり「中の視点」で、実践的な授業を受けられる学校を選びました。

一方、鈴木さんのしていることはむしろ逆で、
もともとコンサルファームでお仕事されていたこともあり、
「外の視点」からクライアントを俯瞰し、アドバイスを提供するというお仕事。

個人的には、この、中の視点と外の視点、両方がぶつかるのではなく、
うまく噛み合えばスポーツ界も色々とプラスの変化が起こせるんじゃないかなー
と思ったりしてます。

どちらもやるべきことと、出来ることが限られているので、
補完してシナジーが生まれれば、まさにwinwinじゃないでしょうか。
理屈では。

話はズレましたが、そんな恩人からの
「ねー向井さん、ちょっと学生ツアー手伝ってくれない?」
なんてオファーを頂けばもちろん2つ返事で即答。

「ちょっと手伝う」の範疇を大幅に超えた業務内容でしたが笑、
参加した学生のみならず私にも本当に貴重な経験をさせてもらいました。

うっかり鈴木さんのくだりが長くなってしまったので、
ツアーのことに関しては次回に続くことにしましょう。。
先週バケーションで授業をブッチした(笑)先生が帰ってきてくれました。ほっ。

今日はプロスポーツの"valuation"について。
そう、アメリカの面白いのが、チームの評価価格というのがシビアに見えるのです。

Forbsなんか見ると、各チームいくら相当なんてのが一目瞭然なので、
みんななんとなく高いチームと安いチームを認識しています。

例えば、こんな記事「The World's 50 Most Valuable Sports Teams 2014

で、言わずもがなですが、アメリカのプロスポーツが金を産むのは何故か。

そう、放映権です。

しかしながら、リーグごとによって放映権の仕組みがかなり違うんだというのが今日のお話。
この類の話は、アメリカのテレビ事情に明るくない留学生にはかなりキツイ!!

え?テレビって買ってきたら、フツーにすぐ見れるでしょ?

なーんて思ってるのは日本人くらいで、アメリカの場合は見たい番組を見るには
基本的に局にお金を払わなきゃならないわけです。
だから、かくも巨大なマネーゲームが成立するということですね。

それも、ナショナルだとか、ローカルだとか、ケーブルだとか、
種類が色々ある上に異様に数も多くて、なんかもう複雑なのです。

もちろん、放映権の契約も、リーグや局によってルールが違ったり。
例えば(かなり大まかに言うと)NFLは放映権がっつりリーグが持ってって
レベニューシェアにより各チームへ分配、が原則だけど、
MLBはローカルの収入はチームにダイレクトにいく、とかとか。。

加えて、ラジオや、ネットの話も入ってくるので、落ち着いて整理しないと大混乱。。

そんな中、授業終盤ラスト10分、突如ランダムに数字の書かれた紙を1人1人渡され、
その数字ごとグループに分かれるよう指示が出ました。

で。NFLのサタデーナイトゲームの放映契約を取るためのプレゼンを考えなさいと。
「来週発表してもらうよー、チーム対抗コンペだよー、契約取れなきゃクビだよーw」

…え? えええ?(汗

我々のチームは仮想ABC(American Broadcasting Company)。
ABCは、NBC・CBSと並ぶ「アメリカ3大ネットワーク」のひとつ。
要するに、国内最大規模のネットワークを持つ全国放送局です。

さて、ABCがNFLのエライ人等を納得させて、いかに契約を取るのか?!
ABCならではの強みは?弱点は?どんなセールスポイントを推す?ABCのintangibleは?

って、そんなの、授業残り10分でまとまるかーい。

というわけで、日曜日に緊急チームミーティング決定。
今週末は日本からスポーツビジネス視察ツアーの学生さん達が来るアテンドなのにー。涙

までも、これまで組んだことのないメンバーとのチームなので、
日曜日のミーティングも楽しみです。
それまでにせめてテレビの仕組みくらいは勉強して、迷惑かけないようにしなきゃ。。

そして明日までの宿題が終わってなーーい!!今日も寝れないのか?!
やっぱり、アメリカの学生は忙しいのであります。まだまだ続く。。。
前回のUPからしばらく開いてしまいました。
やっぱ授業の後の電車で書いて、帰ってUP、をルーティンにしなきゃだめだな。


さて。月曜のInvestment Analysisは悪天候やら特別講義やらで潰れに潰れ、
今日がまだ2回目の授業。
とはいえ、がっつりライディング課題が出ていたので、案の定最終的に徹夜で仕上げ。。

お題は、ローカルの小さな施設のファイナンスを調べて、分析すること。
…って、先生指示が雑すぎませんか。笑

全世界のどこの施設でもOKだったので、私は日本の指定管理者制度を採用している
施設について調べました。

どこがいいかなぁと探しまくっていて出会ったのが、大阪の豊中市
縁もゆかりもない土地なんですが、情報開示が素晴らしい‼︎‼︎
まじありがたい‼︎‼︎他の自治体も是非見習ってくださいませ。

レポートで言及することは、財務諸表や事業報告書、第三機関の評価などを参考に、
主な収益元は何で、支出項目は何で、どんなビジネススキームで運営していて、
どれくらい儲けが出ていて、今後想定される課題は何で…etc

約5ページのレポートにまとめて提出し、よし仕事完了!
と気を抜いていたら、教授の鶴の一声。

「ok!well done. じゃこれから一人ずつ前に出て、
レポートの内容を簡単にプレゼンしてもらいまーす。」

え。聞いてないよ。ザワつく教室。今期こういうの多すぎ。
どうしようと右往左往する間も無く、早々に名前を呼ばれてしまい、とりあえず前へ。

まだまだ準備なしの英語プレゼンは簡単ではありません。
ともあれカンペもないし、前立っちゃってるし、もうやるしかない。

さっくりプレゼンした内容をまとめると、

1.自分が選んだ施設の概要

2.なぜその施設を選んだか
 →指定管理者についてリサーチしたかったから。指定管理者制度ってのは云々…

3.指定管理者制度のスキームと利点
 →民間の経営ノウハウを活かし、公共施設のサービスレベルや収益性の向上を期待

4.ともあれ公共施設が抱える課題もまだまだ
 →利用者層が年輩者に偏ってるとか、飲食物販のセールスが難しいとか、
  ネーミングライツがなかなか売れてないとか…

5.なので、もっとビジネスチャンスはあると思いますよ、的なまとめ。


うーん、これといって目新しいものがないプレゼンで終ってしまった。。
しれっと席に戻った時は、実は手がプルプルしてて己のハートのちっささに凹む。。。

なんとなく、それとなく、つつがなく喋ることは出来るようになってきたし、
ちょっとウケを取ったりするタイミングも分かってきたけど、
もっと内容を深められる表現力を身に付けないとだなぁ。。

瞬時にプレゼンを組み立て、ストーリーをまとめる訓練は
社会人生活で散々やってきてるはずなので、
それを英語でも出来るようにすることが次への課題です。

それと、今日他のアジア人のクラスメイト(というかほぼ中国人)見てて思ったのは、
センテンスの繋ぎについつい「エンダー…」とか「ソー…」「アー…」「ザー…」とか
つい言ってしまうのよね、我々英語苦手族は。無音になるのが怖いからなんだと思います。

ただこれやると、余計聞きづらいし、余計ネイティヴっぽくない。はっきり言って。
むしろ焦燥感が丸出しになっちゃう。

特にプレゼン上手いネイティヴの子達はサクサクと、はっきり喋ります。
エンダー…、じゃなくて、エェンド!(言い切り)、で区切る。
ソー…じゃなくて、ソゥ!(言い切り)、で区切る。
むしろ無言のポーズ(間)は意識的につけた方がメリハリがあって頭に入ってくる。

これから授業のプレゼンはもちろんだけど、インターン応募したり面接の機会もあるから
そーいう、テクニカルな魅せ方も、どんどん盗んでいかないとな。


週末のNBAオールスターの日は-16℃という今季最低気温を記録したNYでしたが、
せっかくなので一念発起して会場であるMadison square garden へ行ってきました。





面白いのがやっぱりやってたNIKEのアンブッシュマーケティング。
公式サプライヤーはadidasなので、adidasは「オールスター2015」の
ロゴを入れたグッズを売れるわけですが、Nike にはその権利がない。



会場に隣接してあるナイキショップはそれでも当然オールスターモード一色。
ナイキはオールスターのロゴを使えない代わりに、
オールスターに出場する契約選手たちをフィーチャーして





彼らのモデルシューズをディスプレイしたり、
”NY2015"とか書いてあるシャツなんかが売られていました。






この、「スポンサーじゃないくせに、あたかもそうかのようにイベントに乗っかる手法」を
アンブッシュマーケティングと言いますが、
NIKEはオリンピックでも大いにその巧妙ぶりを発揮するので、
そういう目線でナイキのCMとか見るとけっこう面白いです。

もちろん、イベント開催側の立場に立てば深刻に困った話で、
いかにスポンサーの利権を守るのか、は常に議論を起こすテーマでもあります。



さてさて、本日は毎度面白い授業の日…
の、はずが、まさかの先生バケーションで代講!そんなのありなの?笑

わんさか盛り上がるいつもの授業とは打って変わって静まり返る教室。
先生が変わるとこんなにも変わるのか。

まずは毎週恒例の個人ミニプレゼン。本日はペルーからやって来た、伊達男のルイス君。
唯一の同い年でもある情熱的なラテン人で、去年の私の誕生日には
スーツ着て真っ赤なバラの花束を持ってきてくれた陽気な男です。笑

内容はクリケットビジネスの可能性について。
アメリカでは大して人気のないスポーツですが、
実は世界大会にもなると10億人(?!)が観戦するということで、
アメリカ展開の可能性を示唆するプレゼンでした。面白かった。


で。授業のお題はアスリートのエンドースメント(広告起用)について。

まずは、現役/引退アスリートの、エンドースメント収益ランキングのクイズから。
さて、最も稼いでるアスリートは、果たして誰でしょう?

ヒント1.
顔が出てないスポーツは不利!

ヒント2
ファン層がリッチかどうかが鍵!

ヒント3
個人にブランドがあるか?!

というわけで、正解はこちら。

Top 5 現役アスリートの部
1. タイガーウッズ (ゴルフ)
2. ロジャー・フェデラー (テニス)
3. フィル・ミケルソン (ゴルフ)
4. コービー・ブライアント (バスケ)
5. ラファエル・ナダル (テニス)

Top 5 引退アスリートの部
1. マイケル・ジョーダン (バスケ)
2. アーノルド・パーマー (ゴルフ)
3. デビッド・ベッカム (サッカー)
4. ジャック・ニコラス (ゴルフ)
5. マジック・ジョンソン (バスケ)

ご覧の通り、実は意外とテニスとゴルフが二強だったりします。
フットボールとホッケーは顔が見えないのが難点。
野球はファン層の購買行為が弱いそうで、バスケが比較的強いとのこと。

また、水泳や陸上の選手はオリンピックなど大会の時には需要が高まるものの、
恒常的な露出のニーズはプロスポーツ選手たちには遠く及ばないとか。

何より意外なのは、現役アスリートとしてトップに君臨する問題児タイガー。笑

これは、スキャンダルを起こす以前にがっつり稼いだ分と、
輝かしいゴルフキャリアのおかげで、スポーツ企業の引き合いは未だあるからだとか。
言わずもがな、彼は家族層をターゲットにした数々の契約企業を失ったわけですが、
それでもゴルフ強しといったところでしょうか。


企業がアスリートを選ぶ基準は何かというと、ざっくり最重要な要素が3つ。

1.Fit
アスリートのイメージや功績と、企業あるいは製品が合っているか

2. Authenticity
信憑性とでも言おうか、"ホンモノ"であるか

3. Buy-in
そのアスリートを起用することで、ターゲット層の購買意欲を掻き立てることができるのか

この3要素が最低限マッチしていることが、良いエンドースメントの条件だそうです。
個人的には、3が一番重要な意思決定の要素になるんじゃないかと思います。


そんなこんなで、2時間半の授業が終わった後、教室を出たクラスメイトが一言。

" I don't like her class... So boring "
(彼女の講義やだな~…退屈。)

はい、agree. そして彼は続けます。

"You know? One class costs $200!! I calculated. That's insane."
(知ってる?1回の授業単価$200すんだよ!計算したんだ。バカげてるよ。)

ひぇ~~!高い高いとは思ってたけど、1コマ2万円強もしているなんて!!
さすがアメリカ国内でも屈指の金取り大学NYU。

せんせー、早くバケーションから帰ってきてー。涙

「NY生活なんて、良いよね!」

なんてことをよく言われますが、いやいや。
やっぱり私はどこまでいっても日本が恋しい。

特に冬はなんだかとても日本が恋しい。
その理由をぼんやり考えてみました。

和食は確かに恋しいけど、大抵の日本食は実は手に入る。
毎朝納豆ご飯と味噌汁を食べてるし、自炊するのは基本和食。
日本食レストランに行けばしっかり居酒屋メニューも頂ける。
つまり、まぁ食は何とか我慢できる範疇。

日本の友人たちが恋しい。それも一理ある。
が、とはいえSNS全盛の現代、Facebookを開けばそこには皆んなの変わらぬ姿があり、
実際久々に再会した時に「あんま久しぶりな気しないね」というのはよくある。

もちろん体温の暖かさがないのはどうしようもないけど、
国際電話が高くて5分しか話せない、なんてこともなければ、
手紙が1週間届かない、なんてこともないわけで。
(時々そのもどかしさを敢えて味わうためにエアメールを書くのは割と好き)


じゃぁ何だ、と思った時に、「情緒」ではないかと。
そう、NYにはなんだか情緒を感じない。
日本の冬にしかない美しさが、どうもこうも恋しいのです。

もちろん、街並みや建造物やアートを眺めて、
視覚的な「美しさ」を感じることは多々あります。
NYはその意味で言えば宝庫なわけですし。

でも、例えば「深々と降る雪」は、ここにはない。
どうも、その表現は似合わないんです。

きっと静寂がないせいかなぁ、と思ったり。
さらさらと降ってくる雪に、静寂と、健気な木々の哀愁や儚さがあいまって、
初めて日本の雪は美しいのでは、と考えるのです。
NYでそれを感じることは、うーん、なんだかできない。

静寂、というのがまた、NYでは見つかりにくい。
ただの無音、とはちょっと何かが違うような。
(そもそもこの街で無音を見つけるのも難しいわけですが)

静寂というのは、どことない緊張感漂う空気に、
「無」の空間が合わさった場である気がします。
そんな静寂の中深々と降る雪は、スローモーションのように、
あるいは静止画のように温かみを伴って脳裏に残るけど、
ここではそれがどうもないんです。

情緒ある景色というのは何だか切なさがありますが、
情緒がないと、もっと「悲しい」に近い「切ない」になる感じがする。

だから余計に日本の、淡く儚い精神性の「美」が、
とにかく恋く感じてしまう今日この頃です。

情緒的な日本の歌なんかを聴いては、描かれる景色を想像して、
穏やかな気持ちを取り戻す日々を送っております。
そんな風に、まさかのバレンタインデー、
一歩も外に出ず過ごしてしまいました。笑

美しい日本語はスーっと腑に落ちてじわーっと広がってくれる気がします。
みなまで言わないところが、また奥ゆかしくて良いいなぁ、と。
アメリカの歌は結局"she is beautiful & I love you"ばっかりで
やっぱり全然入ってこないんだよなぁ。。

明日の予報は今季最低の-16℃らしいけど…
日本ではそろそろ春の前兆、梅が咲く頃ですね。
日本にいた時は、湯島や府中の梅祭り牡丹祭りに出かけては甘酒を頂くのが好きでした。
八王子の実家の梅の花も、蕾がたくさん咲く準備してるのかな。


早く、こっちの春も来ないかなぁ…