Tanglewood Jazz festival | 音温(ネオン)ビーム☆

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Jazzyな未知の世界に挑む波瀾万丈ライフ♪ 

先週の金曜はレンタカーをしてボストンから約3時間西にある、Tanglewood jazz festivalに行って来た。 ナショナルパークに囲まれた、まさに森の中で夏のみのコンサートが毎年開催される。 ここのコンサートホールは「Seiji Ozawa Hall」という名前がついていて、とても立派でステキなホールなのだが、後ろの壁は無く、代わりにカーテンがあり、開けると野外からでも椅子を並べて聴ける様な仕掛けになっている。 開演は午後8時からであったが、少し早めに来て、存分に森林浴を楽しんだ。ボストンとはこれまた異世界で、なんとも空気が澄んでいて、夜空は満点の☆、☆、☆であった。 宇宙に吸い込まれるんではないかと思ったくらいの星の数だった。

9/2は2グループが出演していて、一つはグラミーを何度も受賞しているkaorumも大好きな盲目のジャズシンガー、ダイアンシュアーと、ミュージシャンとして最も尊敬しているToots Thielemansが出るとあって、かなり前から一番良い席のチケットを買い、この日を待ちわびていた。その甲斐あってか、前から5番目という超間近の席でミュージシャン達の息づかいや表情をしっかり感じる事が出来た。 しかも両グループ共、今回はジャズというよりも私の大好きなラテン系を中心に演奏するとあって、もうたまらなかった。

DianeDiane Schuur group

ダイアンシュアーのライブは先月行ったブルーノートでの内容とほぼ一緒であったので、それほど興奮もしなかったのだが、相変わらず声に張りがあり、音程も1ミリとも揺らぐことなく彼女独特な世界を放していた。 彼女のすごいところはやはり、ちょっと聴いただけでもすぐ「あ、ダイアンの歌だ!」と解る程、個性ある声とスタイルだ。 ミュージシャンにはこれが必要不可欠だ。 どんなに上手い人でも誰かと似ていてはダメなのだ。 彼女はまさにOne and Onlyなシンガーだと改めて感じた。 そしていつも最後の曲はお約束の「So in Love」を歌い、彼女にそっくりな雰囲気の旦那さんが登場し、手を握りながら歌うのである。 何度見ても聴いてもほほ笑ましく幸せな気持ちになれるから不思議だ。

さて、次はいよいよ私が待ち望んでいたToots groupである。 Tootsはベルギー人のクロマティックハーモニカ奏者で、もう歳は80歳近い。 何度かボストンやNYに来てはライブをしているのだが、いつも都合がつかず行けずにいた。 遂にこの日、生Tootsの音が聴けるのである☆

Toots
そしていつもTootsと演奏しているピアニストのKenny WernerとギターのOscar Castro-Nevesの演奏はCDで聴く以上に素晴らしかった。 体から音が湧き出ていると言うか、「嗚呼、音楽が好きで好きでたまらないんだなあ~」っていうのが溢れる様な演奏だった。 そしてミュージシャン同士はもちろん、観客とも音と表情で会話しているような温かくて優しい空気がずっとまわっていた。 私は自然と終始涙がとまらず、こんなことは生まれて初めての体験だった。こんなに温かくて感動で胸が震えっぱなしのライブは今までで見た事が無い。 それくらいの衝撃だった。 演奏側が描くイメージと、聴き手が受け取るイメージが見事に一緒なんだな、と感じた。 これは本当にすごい神業だと思う。 特に「What a wonderful world」は、Tootsはいまにも消えてしまいそうな繊細な音を交えて何かを熱くそして静かに語る様に吹くのである。 この歌はいろんなミュージシャンが好んで演奏する名曲だが、私は今まで特別好きでもなかった。 しかし!!私はこのToots groupの演奏でもう涙が溢れて仕方がないのである。 Tootsの描くイメージ、想いが痛い程伝わって来るのである。 演奏後、Tootsはこんな事を語った。 「この曲は僕に取って教祖的な存在のルイアームストロングの名曲で、ルイアームストロングがいなければ今の僕は確実にいなかっただろう。 それ位、彼の存在は僕にとって偉大で、僕の音楽に多大な影響を与えるまさに神様的な人。 そんな彼の曲には特別な思い入れがあるんだ」

うんうん、そうなのでしょう! と私もうなずいた。 だって、本当にそんな気持ちが音と演奏中の表情で伝わってくるんだもん。 そう、私がいつも思うのは、ミュージシャン同士で顔をたまに見ながら演奏するスタイル、私は大好きだ。 ライブは音だけを聴きに行っているのではないと思う。 ミュージシャンの表情や、アイコンタクトをとりながら相手の音に反応して初めてあのような温かさも加わるのだと思う。 たまにミュージシャンの中にはアイコンタクトを取らなくとも音で気配を感じコミュニケーションをとれるという人も多いが、私はあえて顔をたまにみるという行為が好きだ。 私も自分がライブをしているとき、ソロの時などバックのミュージシャンを振り返った時に顔を合わせてくれるととても気持ちが安らぎ嬉しいものである。 顔を合わせる行為、そして表情はその位、良い空気を生み出すと言う点で演奏している者にとっては大事だと思う。 そう、Tootsは相手のソロの時は特に顔を合わせながら、音を絡めるといった感じで即興をする。 う~~たまらん! 

コンサートは全体で8~10時までの予定だったのだが、Diane Schuurのライブで既に少し伸び、そしてTootsのライブではアンコールの嵐が止まらず、4、5回アンコールに答えてくれ、ノリノリの演奏で幕を閉じた。 時既に夜中の12時を過ぎていた。 普通のジャズフェスはだいたい昼間にやるのがほとんどだが、こんな満点の星の下、森の中で夜中までこんな素晴らしいライブが聴けるなんて、本当に最高だった。 帰りは道も空いていたので2時間でボストンに戻って来れたが、興奮していたせいか運転中眠くならずに済んで良かった♪  

もう9月か。 そういえばだんだんボストンも涼しくなり過ごしやすくなって来た。 夏の終わりを感じる今日この頃、空もなんとなく切ない感じだが来週からはいよいよバークリー最後の学期が始まる。 気を引き締めてまた頑張ろう♪