えぇ,もちろんよ。ブルーベリーにはアントシアニンが含まれていて,目に良いのよねぇ!ひょっとして・・・ラビットアイブルーベリーと言う品種かしら?^^

愛情豊かなご主人様のお家にやって来たブルーベリーも大喜びのはずよ!

「やった~~~!わたくし,こちらのご主人様だと沢山のお花を咲かせて見たいって,何だかすごく意欲が湧いてきたわ!」っていう歓喜の声が今にも聞こえてきそうよ!

やがて細い枝には、たわわに実った兎の目をしたブルーベリーがこうべを垂れて「こんなに愛情たっぷりに大事に育てて下さって,ご主人様にはなんてお礼を申し上げれば良いのでしょう?」とお辞儀をしている光景が思い浮かぶわねぇ。

「そうだわ!これだけ粒ぞろいの実がなったのですもの。3分の1は、そのままデザートに,あとの3分の2はブルーベリーパイにしてご主人様に召上っていただきましょう。さぞかし,ほっぺたがおちてしまわれるぐらいになって,お喜びなさってくださるに違いないわ!」

ブルーベリー夫人は、三色スミレや真紅のばらの花びらを散りばめて凍らせた氷の器に(ボールに少し水を張った中にそれらの花びらを浮かべて,その上にまた ボールを重ねて固定させて凍らせて作ったもの。)会心の微笑みを浮かべながら,もぎたてのラビットアイを盛り付けて,ミントの葉をあしらった。

それから,熟してプルンプルンの実は、丸いパイ皮に並べて,その上にはレースのように器用にカットした方のパイ皮で覆いかぶせて、あとはオーブンにお願いしておいた。

「まぁ~!ちょうど今焼き上がったところだわ。う~ん,香ばしくて美味しそうねぇ。」とオーブンに労をねぎらうかのようにいうところなどは,とてもブルー ベリー夫人らしかった。それから,粗熱を逃がして,パイのカッターをグルンと転がして,なれた手さばきで三角型に見事に切り分けている眼差しは,真剣その ものだったけれど,それは綺麗にパイをカットするために集中力を注ぐあいだだけで,すぐにいつもの柔和な表情に戻っていて,こういうところも夫人らしいと ころだといえば,そのようにも思われた。

ガーデンテーブルの上には,赤と白のチューリップやアネモネのお花に松葉をアレンジして,こじんまり飾られていた。そこに,花びらが氷から透けて可愛く見 える器やパイ皿,それにティーポットやらを並べると,たちまち満員になって,こういう時こそお皿を立体に3段重ねることのできるアフタヌーンティーセットがいかに重宝がられるかを思い知らさ れることになった。そして,あわてて台所の吊り棚の奥から引っ張り出してくることになるのでした。

ようやくご主人様に寛いでいただけるようにテーブルの準備が整ったので,ブルーベリー夫人は「さ~ぁ、今すぐお呼びしましょう!」と両手を大きく円を描いて顔の前に持って来て軽くパ~ンとならすと,ドレスの裾を翻してお家の中に飛んで呼びに行ったのでした。

ご主人様は,あまりにもブルーベリー夫人が嬉しそうにしているようすから「わたしのために,なにやら丹精込めてしてくれたのであろう。」と大方の察しがつ いていたようだったけれど,「何だい,どうしたんだい?」と夫人に背中を押されながら庭の方まで出てくると、あとは焼きたてのブルーベリーパイの香りのリ ボンに両手両足を蝶結びにされて,ひとりでに引き寄せられるようにしてガーデンチェアに腰を下ろしていた。

「こういうことだったのかい?」とこの上もないお喜びようにブルーベリー夫人は,もうそれだけでこころが満たされて,雲のソファに座らせてもらったような幸せな気分になれた。

ブルーベリー夫人は,「ご主人様!世界一の最高級ブルーベリーをどうぞ召上ってくださいませ!」といってティーカップに紅茶を注いだ。

それは、愛情をこめて育て上げた側であるご主人様にとって,最高の名誉ある褒めことばでもあり,思わずうれしくなって「ありがとう!本当に美味しいよ!夫 人も,椅子におかけなさいな。そして,嵐で枝が折れそうになってたいへんだった夜もあったね。お日様が来る日も来る日もカンカンでりで,あなたは枯れてし まわないかと思ったよ。ほんとに・・・。そうだ,こんなこともあったなぁ・・・ネズミにまんまと実をかっさわれそうになったところ
を間一髪のところで彼をおっぱらったんだ。思い出話など語らいながら,あなたもいっしょにお食べなさいな!」

「たいへん光栄ですわ!ですけれど・・・」

「だけど,どうしたんだ?」

「わたくし,共食いになってしまいますもの。」

「目が良くなるんだよ?それでもかい?」

「・・・・・」