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子どもをどのように守るか

あなたは率先していますか

子どもを虐待から守るおもな責任は,子どもにではなく,親にあります。ですから,子どもよりも前に親が教えられなければなりません。あなたが親であるなら,児童虐待について知っているべき事柄が幾つかあります。どんな人が子どもを虐待するのか,どのようにそうした行為に及ぶのか,という点です。性的虐待をたくらむ人として多くの親が思い描くのは,暗がりに身を潜め,子どもを誘拐して犯す機会をうかがう見知らぬ人です。もちろん,そうした極悪非道な人もおり,しばしばニュースで取り上げられます。しかし,それらは比較的まれなケースです。子どもに対する性的虐待の約90%では,子どもがすでに知っていて信頼している人が,加害者となっています。

ごく自然なこととして,感じのよい近所の人や,教師,医療関係者,スポーツのコーチ,親族などが,あなたのお子さんを性の対象と見ているとは思いたくないものです。事実,たいていはそのような人ではなく,周りのすべての人を疑いの目で見る必要もありません。それでも,虐待の典型的な手口を知っておくことは,子どもを守るための助けとなります。―6ページの囲みをご覧ください。

そうした手口を知っておくなら,親の皆さんは子どもを守る点で率先するのに有利な立場にあることになります。例えば,大人よりも子どもに興味を持っているかに見える人が,お子さんを特にかわいがってプレゼントをくれたり,子守りをすることやお子さんと二人だけで出かけることを申し出たりするなら,どうされますか。虐待するつもりなのだと判断すべきですか。いいえ。早まって結論を下さないでください。全く悪意がないということもあります。とはいえ,用心すべき要素はあるかもしれません。「経験のない者はすべての言葉を信じ,明敏な者は自分の歩みを考慮する」と聖書も述べています。―箴言 14:15。

銘記すべき点として,あまりにも親切な申し出には裏のある可能性があります。お子さんと二人だけで過ごすことを買って出る人を,十分に吟味してください。そのような人には,子どもの様子を随時確かめるつもりであることを知らせます。3人の男の子がいるメリッサとブラッドは,子どもと大人が二人きりにならないよう注意を払っています。息子の一人が家で音楽のレッスンを受ける時,メリッサは先生にこう言いました。「先生がここにいらっしゃる間でも,部屋に出入りさせていただきます」。警戒しすぎに思えるかもしれませんが,そのようにする親は,用心を怠って後悔するよりはよいと考えています。

お子さんの活動,交友関係,勉強に積極的にかかわってください。どこかに出かける計画があるなら,詳細を把握しましょう。性的虐待の問題を33年間扱ってきた精神衛生の専門家は,親が気を配ってさえいれば防げたケースを実に多く見てきたと言います。この人は,性犯罪者が語った次のような言葉を引き合いに出しています。「親は子どもを文字どおり渡してくれました。……親がお膳立てしてくれたようなものです」。虐待に及ぶ人はたいてい,簡単に標的にできる子を好む,ということを忘れないでください。親が子どもの生活に積極的にかかわっている場合,その子どもを標的にするのは難しくなります。

子どもを守る点で率先する別の方法は,よく話を聞くことです。虐待されたことを子どもが自分から打ち明けるというのはまれです。恥ずかしさや,どう思われるかという不安を抱くのです。ですから注意深く話を聞き,わずかなサインにも注意を払ってください。* 気がかりなことを子どもが口にするなら,落ち着いて質問し,気持ちを引き出しましょう。あるベビーシッターが来るのを子どもが嫌がったなら,なぜなのか尋ねてください。大人の人と変なゲームをしていると話したなら,「どんなゲーム? その人は何をするの?」と聞いてください。だれかにくすぐられたと訴えてきたら,「どこをくすぐられたの?」と尋ねましょう。子どもの答えを,大したことはないと,すぐにはねつけてはなりません。子どもを虐待する人は,だれも君の言うことを信じてくれないよ,と話します。そしてあまりにも多くの場合に,そうなっているのです。実際に子どもが虐待を受けた場合,親が信じて支えてあげるのが,回復に向けての大きな一歩となります。

子どもを守る点で率先する

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