

数学の美や深遠さは、凡才にはやや実感しづらいところがある。だが、数学五輪に出場するような俊才ならきっと堪能できるのだろう。何しろこんな難問を解いてしまう若者たちだ。「nを割り切る相異なる素数はちょうど2千個ある。2のn乗+1はnで割り切れる。この条件を満たす正整数nは存在するか」
全国13会場できのう、数学五輪の日本代表を選ぶ試験があった。参加したのは高校生以下の百数十人だが、東欧スロベニアで夏に開かれる五輪に進めるのは各国とも6人まで。会場にはトリノ五輪にも劣らない緊張感が漂っていた。
1959年にルーマニアで始まった数学五輪には、既に半世紀近い歴史がある。90を超す参加国で際立つのは中国の強さだ。この10年で7度も優勝した。米国や韓国も強豪だが、日本は最高8位どまりである。
国ごとの平均的な数学力なら世界屈指の日本が、数学五輪となると上位に届かない。「日本の学校は英才教育をためらいますから。飛び抜けた頭脳をさらに伸ばす場がほとんどなかった」。数学オリンピック財団事務長で元高校教諭の渡辺義正さんは話す。
本番では同じ問いが各国語に訳して出題される。発想で解く米国、論理のドイツ、直感のイタリア…。解き方には国柄がはっきり表れる。教科書に即したまじめで地道な解法が日本勢の特徴だという。
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