

精神的また情緒的な障害は幼児や子供にもみられます。最近,子供に増えているのは運動機能亢進症です。このような子供は絶えず動き回ることを望み,落ち着きがなく,手に負えず,集中力に乏しく,移り気です。アメリカでは5%つまり150万人以上の子供がこのような問題を持っています。その大部分は男の子です。
これと正反対なのが自閉症の子供です。自閉とは「外界の現実に興味を失って白昼夢や空想にふける精神状態」と定義されています。これも同じく少女よりは少年にずっと多く,4倍もの率を示しています。30年前には,この症状も病名もあまり知られていませんでした。しかし今日,自閉症と診断されるケースはごく普通にみられます。アメリカ,イギリス,ドイツそして日本(注目すべきことに,いずれもストレスや圧迫の多い先進工業国)には,自閉症の子供のための組織まであります。
今まで述べたのは,割合によく見られる種類の精神病に過ぎません。全くのところ精神病には多くの顔があり,またそれぞれに病気の程度もごく軽いものから非常に重いものまでさまざまです。一応病名が付けられたとしても,その一つとして他のものと全く同じものはありません。
それにしても,精神病にかかる人とかからない人とがあるのはなぜですか。精神病の根本にある原因はなんですか。
[脚注]
この問題については1974年12月8日号の「目ざめよ!」誌に掲載されている記事をご覧ください。