

家族を亡くした人の中には,遺品を処分したり大きな変化を加えたりするにしても,しばらくは元のままでいる方が助けになると考える人がいます。しかしやがて,遺品を整理すべきかどうかという問題にだれもが直面します。おそらく,それを整理することでしょう。しかしその反面,夫が使っていた家庭用の大工道具のように,後で役に立つものがあるかもしれません。
しかし,遺品が愛する人を失った痛ましい経験を思い起こさせ,人を絶えず暗い気持ちにさせているならどうですか。品物を元のままにしておこうとし過ぎたり,愛する人がまだそこにいるかのような生活を送ろうとしたりするのは,悲しみを克服する助けにはなりません。それどころか,家を悲しい思い出で満ちた博物館にしかねません。
ですから,当初の悲しみの期間が過ぎたなら,生活上の新たな必要を満たす上でどれほどの変化が必要かを見定めるのは良いことです。過去を現在の大きな妨げとしてはならないのです。