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見通しが、あまり良くなさそうな街並みだ。イタリア北部の街トリノに降り立ち、駅前広場に出た時の印象だ。冬季五輪に向けた工事が進む駅周辺では、視野をさえぎる囲いがあちこちに巡らされていた。昨年秋のことである。

 駅前のホテルで荷を解き、街を歩き始めると、最初の印象はすぐに崩れた。アーケードがまっすぐにのびている。交差する道も広く、かなり遠くまで見通せる。五輪向けの一時的な表情とは別に、街の素顔の方は、すっきりとしているようだった。

 中世以降、諸州・諸都市が分立していたこの長靴形の半島に「イタリア王国」ができたのは、日本の幕末にあたる1861年のことだった。祖国の統一と解放をめざす運動の結果、トリノに最初の首都が置かれた。今は、フィアットなどの自動車産業や機械工業の中心地となっている。

 北イタリアに生まれたデ・アミーチスは、トリノの小学校を舞台にして「クオレ」を著した。トリノが長靴の上端近くにあるとするなら、靴先にあたる南のカラブリア地方から転校生がやってくる。

 先生が言う。「カラブリアの子どもがトリノにきても、じぶんの家にいると同じ思いをし、また、トリノの子どもがカラブリアのレッジョへいっても、うちにいると同じ思いをすることができるために、わが国は五十年のあいだ戦いました」(前田晁訳・岩波少年文庫)。

 今もなお、この国の北と南はなじんでいないと聞く。それぞれに、重い歴史を背負っているのだろう。祖国統一の象徴の地で、10日、20回目の冬季五輪が開幕する。

同じ国なのに面白いね。
外国に行くとそこでなければ
解らないことがたくさんあるんだろうな。
冬季オリンピック楽しみだね。
=*^-^*=にこっ♪