

子供に勉強する動機を持たせる別の方法は,新しく得た知識を日常生活で実際に使えるような状況を作ってやることです。多くの教育者は,学業を実際に応用することの重要性に気付いています。理論と実務とを結び付けるために,様々な努力がなされています。ある学生たちは,習得した知識を使うために,定期的に職場に実習に出されます。同じように,親は息子や娘に様々な仕事や責任を与えることができます。
ある外国語を習っているなら,子供がそれをできるだけ使えるようにしてやるのはどうでしょうか。例えば,その言葉が使われる場所に連れて行ったり,その言葉で書かれている新聞や雑誌の切り抜きや引用文を翻訳させたり,その言葉を話す友人を家に招いたりすることができるでしょう。
数学を実際に応用させるためには,自分用の小遣い帳をつけさせたり,家の領収書を総計させたり,家の修理費などを計算させたりできます。
朗読の練習としては,大きな声で本を読ませることです。ある子供は,目の見えない人や自分で読めない人に本を読んであげることによって,大きな喜びを得ており,またそれは実際的な経験となっています。また,ある父親は,いつも娘に学校の教材をカセット・テープに録音させ,仕事の行き帰りに車の中でそれを聞いています。
子供に手仕事をさせ,道具を使うことに慣れさせるのは良い,と考えている親は少なくありません。そのように知識を実際に用いることは,知能の発達に役立ちます。