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米政界の長老で、駐日大使を長く務めたマイク・マンスフィールドさんは生前、自ら来客をコーヒーでもてなすことで有名だった。「コーヒーを一杯いかが」と聞くと、大使室の奥の小さな台所に入り、カップを運んでくる。

 ケネディからフォードまで4代の政権下で、上院院内総務という米議会のトップポストを史上最長の16年間も務めた。黒人差別の問題に取り組み、ベトナム介入にも早くから批判的で、「米国の良心」と評された政治家だ。そんな大物がお茶を入れる姿は、日本人に強い感銘を残した。

 晩年にワシントン市内の事務所で取材したときも、97歳の同氏が、バランスを失いそうになりながらコーヒーを持ってくるのに恐縮したものだった。このほど翻訳された伝記『マイク・マンスフィールド』(オーバードーファー著、共同通信社)を読んで、そのコーヒーの謎が解けた。

 大使に赴任したのは77年。当時はまだ一般的だった日本女性のお茶くみの慣習への抗議の意味が込められていたという。お茶くみは、それをさせられる人をおとしめると彼は考えた。「私がコーヒーを入れることで、彼女たちの立場を楽にしてあげたかった」と著者に語っている。

 下積みの長い前半生が、そんな配慮を生んだのかもしれない。年齢を偽って14歳で海軍に入った。除隊後は鉱山労働者として働く。教員のモーリーン夫人の支援で大学に入ったのは28歳の時である。

 ちなみに、あのときとてもおいしく感じた大使の入れたコーヒーは、伝記を読むと、インスタントだったようだ。

人の上にたと人は、
お茶くみ一つにしても
大切にするんだね。
何事も経験ですか?
=*^-^*=にこっ♪