イメージ 1

イメージ 2

カペルナウムの家に帰る

イエスの評判は今では遠く広く伝わっていて,イエスが滞在しておられる所には人里離れた場所であっても人々が大勢やって来ます。しかし,何日かのち,イエスはガリラヤの海のそばのカペルナウムへ戻られます。イエスが家に帰っておられるというニュースはたちまち町じゅうに広がり,イエスのおられる家に大勢の人がやって来ます。パリサイ人や律法の教師たちもはるばるエルサレムからやって来ます。

とても大勢の人が集まったので入口はふさがり,もうだれも中へ入る余地はありません。実に驚くべき出来事の生じる状況が整いました。このときの出来事はたいへん重要です。なぜならそれは,人間の苦しみの原因を取り除き,ご自分が選ぶ人すべての健康を回復させる力をイエスが持っておられることを理解するのに役立つ出来事だからです。

イエスが群衆を教えておられると,4人の人が,まひした人を寝台に載せてその家へ運んで来ます。その人たちは,イエスに友達をいやしてもらおうと思っているのです。しかし,群衆のために中へ入れません。何と残念なことでしょう! でも4人はあきらめません。平らな屋根に上って屋根に穴を開け,まひした人を載せたまま寝台をイエスのそばにつり降ろします。

イエスは話の邪魔をされて立腹されるでしょうか。決してそのようなことはありません! それどころか,イエスはその人たちの信仰に深い感銘をお受けになります。そしてまひした人に,「あなたの罪は許されています」と言われます。しかし,イエスは本当に罪を許すことがおできになるのでしょうか。書士やパリサイ人たちはそうは思いません。心の中で,「なぜこの男はこのように言うのか。神を冒とくしている。ただ一人,神以外のだれが罪を許せるのか」と論じます。

イエスは彼らの考えを知っておられて,「なぜあなた方は心の中でそのようなことを論じているのですか。このまひした人に,『あなたの罪は許されている』と言うのと,『起き上がって,あなたの寝台を取り上げて歩きなさい』と言うのでは,どちらが易しいですか」と言われます。

それからイエスは,批判者をはじめとする群衆に見せるため,驚くべきことを行なわれます。それは,地上で罪を許す権威がイエスにあり,イエスがかつて存在した人の中で最も偉大な人であるという事実を示すことになります。イエスはまひした人のほうを向くと,「起き上がって寝台を取り上げ,自分の家に帰りなさい」とお命じになります。すると,その人はすぐに起き上がり,寝台を持ってみんなの前を歩いて出て行きます。人々はすっかり驚いて神をたたえ,「わたしたちはかつてこのようなことを見たことがない」と大声で言います。

イエスが病気に関連して罪のことを話され,罪が許されることと身体が健康になることとが関係づけられていることに気づきましたか。聖書の説明によると,人間の最初の親であったアダムが罪を犯したので,人間はみなその罪の結果,つまり病気と死を受け継いでいます。しかし,神の王国の支配下では,イエスが,神を愛して神に仕える人すべての罪を許し,あらゆる病気が取り除かれるのです。それは何とすばらしいことでしょう! マルコ 2:1‐12。ルカ 5:17‐26。マタイ 9:1‐8。ローマ 5:12,17‐19。

マルコ2章1~12節
2 しかしながら,何日かのち,再びカペルナウムに入られ,[イエス]が家におられることが伝わった。2 その結果,大勢の人が集まり,あまりに多かったためにもう場所がなく,戸口のあたりにさえないほどになった。それで,[イエス]は彼らにみ言葉を語りはじめられた。3 すると,人々がまひした人を四人がかりで[イエス]のところに運んで来た。4 しかし,群衆のためにすぐそばに連れて行くことができなかったので,[イエス]のおられるあたりの屋根を取り除き,穴を掘って,まひした人の横たわっている寝台を降ろした。5 それで,彼らの信仰をご覧になったイエスは,そのまひした人にこう言われた。「子供よ,あなたの罪は許されています」。6 ところで,そこには書士が幾人かおり,座ったまま心の中でこう論じていた。7 「なぜこの男はこのように言うのか。[神を]冒とくしている。ただ一人,神以外のだれが罪を許せるのか」。8 しかしイエスは,彼らが自分の中でそのように論じていることをご自分の霊によってすぐに悟り,彼らにこう言われた。「なぜあなた方は心の中でそのようなことを論じているのですか。9 このまひした人に,『あなたの罪は許されている』と言うのと,『起き上がって,あなたの寝台を取り上げて歩きなさい』と言うのでは,どちらが易しいですか。10 しかし,人の子が地上で罪を許す権威を持っていることをあなた方が知るために」―[そして]まひした人に言われた,11 「あなたに言います,起き上がって寝台を取り上げ,自分の家に帰りなさい」。12 すると,彼はまさしく起き上がり,すぐに寝台を取り上げ,みんなの前を歩いて出て行ったのである。そのため,彼らは皆ただあっけにとられ,「わたしたちはかつてこのようなことを見たことがない」と言って,神の栄光をたたえた。

ルカ5章17~26節
17 そうしたある日のことであったが,[イエス]は教えておられ,ガリラヤとユダヤのすべての村およびエルサレムから出て来たパリサイ人や律法の教師たちもそこに座っていた。そして,彼がいやしを行なうようにエホバの力がそこにあった。18 すると,見よ,まひした人を寝床に載せたまま運んで来る男たちがいたが,その人を連れて入って[イエス]の前に置く道を探しているところであった。19 そして,群衆のために,連れて入る道を見いだせなかったので,彼らは屋根によじ登り,かわら屋根を破って,小さな寝床のまま,イエスの前にいた人々の間に彼を下ろした。20 すると[イエス]は,彼らの信仰をご覧になってこう言われた。「人よ,あなたの罪は許されています」。21 するとすぐ,書士とパリサイ人たちは論議を始めてこう言った。「冒とくのことばを吐くこの者は何者か。神おひとりのほかにだれが罪を許せるのか」。22 しかしイエスは彼らの論議を見抜き,答えてこう言われた。「あなた方は心の中で何を思い巡らしているのですか。23 『あなたの罪は許されている』と言うのと,『起き上がって歩きなさい』と言うのでは,どちらが易しいですか。24 しかし,人の子が罪を許す権威を地上で持っていることをあなた方が知るために―」[イエス]はまひした人に言われた,「あなたに言います,起き上がり,あなたの小さな寝床を取り上げて家に帰りなさい」。25 すると,彼は人々の前でたちどころに身を起こし,自分がそれまで横たわっていたものを取り上げて,神の栄光をたたえながら自分の家に戻って行った。26 その時,すべての者は狂喜にとらわれて神の栄光をたたえるようになり,また恐れに満たされて,「今日は不思議な事を見たものだ」と言った。

マタイ9章1~8節
9 それから[イエス]は舟に乗って[対岸に]渡り,ご自身の都市に入られた。2 すると,見よ,人々が,まひした人を寝床に寝かせたまま運んで来るのであった。彼らの信仰を見て,イエスはそのまひした人に言われた,「子供よ,勇気を出しなさい。あなたの罪は許されています」。3 すると,見よ,書士のある者たちは,「この男は冒とくしている」と自分の中で言った。4 だが,イエスは彼らの考えを知っていてこう言われた。「なぜあなた方は心の中で邪悪なことを考えているのですか。5 例えば,あなたの罪は許されていると言うのと,起き上がって歩きなさいと言うのでは,どちらが易しいですか。6 しかし,人の子が罪を許す権威を地上で持っていることをあなた方が知るために―」それから[イエス]は,そのまひした人に,「起き上がり,寝床を取り上げて,自分の家に帰りなさい」と言われた。7 すると,彼は起き上がって,自分の家に戻って行った。8 群衆はこれを見て恐れに打たれ,このような権威を人に与えた神の栄光をたたえた。

ローマ5章12節
12 それゆえ,一人の人を通して罪が世に入り,罪を通して死が[入り],こうして死が,すべて[の人]が罪をおかしたがゆえにすべての人に広がったのと同じように―。

ローマ5章17~19節
17 というのは,一人[の人]の罪過により,その人を通して死が王として支配したのであれば,まして,過分のご親切と無償の賜物である義とを満ちあふれるほどに受ける者たちは,一人[の方]イエス・キリストを通し,命にあって王として支配するからです。

18 こうして,一つの罪過を通してあらゆる人に及んだ結果が有罪宣告であったのと同じように,正しさを立証する一つの行為を通してあらゆる人に及ぶ結果もまた,命のために彼らを義と宣することなのです。19 一人の人の不従順を通して多くの者が罪人とされたのと同じように,一人[の方]の従順を通して多くの者が義とされるのです。

■ 実に驚くべき出来事がどんな状況のもとで生じましたか。

■ まひした人はどのようにしてイエスのそばへ行くことができましたか。

■ なぜわたしたちはみな罪深いのでしょうか。しかし,イエスは,わたしたちの罪が許され,完全な健康が回復されるという希望をどのように与えてくださいましたか。