

人込みの中で見分けることができますか。顔に表われていますか。あいさつをしても,笑顔の奥に隠れていますか。歩く姿や身のこなしで分かりますか。公園のベンチに一人座っている年配の男性や,一人で美術館に来ている若い女性を見てください。その人は孤独に悩まされてはいないでしょうか。ショッピング街を母,娘,孫が親子3世代で歩いているところを観察してください。結構幸せそうに見えますが,確かにそうだと言えますか。職場の同僚のことを考えてください。優しい家族に囲まれ,快適な生活を送るのに十分な収入のある幸福な人々だ,と恐らくあなたは思っているでしょう。しかし,家族の中の一人がしみじみと「寂しい」と漏らすことはないでしょうか。また,快活な十代の若者は孤独を感じることはないのでしょうか。これらの質問に対する答えを聞くと,あなたは驚かれることでしょう。
ウェブスター大学生用新辞典 第9版では,「孤独」は「わびしさ,あるいは心細さを感じさせる」と説明されています。孤独感とは,何かが欠けている,または心が満たされないという気持ちであり,必ずしも外見で判断できるとは限りません。ある研究者はこう言います。「我々の社会では,孤独感をひたすら隠そうとする。自分自身それを認めない場合もある。孤独感は不名誉の印なのである。一般に,寂しく感じるのは本人に原因があるからだと考えられている。そうでなければ,友達がたくさんいるはずではないか,というわけである」。そのとおりのことも時々あります。他の人に不当に多くのことを期待したり要求したりする場合には特にそう言えるかもしれません。