
この方法が非常に苦痛に思えるのであれば,恐れている状況にいる自分を単に想像して訓練することを勧める医師もいます。できるだけ具体的にその場面を思い浮かべてください。不安が募るかもしれません。しかし,疎外されると思っても大抵は自分の思い過ごしであり,自分が考えるほど深刻なわけではない,と繰り返し自分に言い聞かせてください。そして,その見方を支持するような仕方で場面が終わるようにします。
薬の使用を考えている人は,その危険と益を比較考量すべきです。さらに,自分の恐怖症が薬物療法を要するほど重いものかどうか考えるべきです。薬物療法は,恐怖症の人の恐れや行動を考慮した治療と組み合わせて行なうのが最も効果的であると考える専門家は少なくありません。
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呼吸の仕方に注意してください
社会恐怖症の人の中には,呼吸の仕方に注意すると身体症状が和らぐ人もいます。最初,このことは奇妙に思えるかもしれません。呼吸の仕方などだれでも知っているからです。しかし,専門家たちによると,不安の問題を抱えている人たちの多くは呼吸の仕方が正しくありません。多くの場合,呼吸が浅すぎたり,速すぎたり,胸式呼吸をしすぎたりしているようです。
ゆっくりと息を吸ったり吐いたりする訓練をしてください。口からではなく鼻から息をするほうがやりやすいでしょう。また,腹式呼吸をすることも学んでください。胸の上部を使って呼吸すると過呼吸になる危険性が高くなるからです。その点を自分で調べるには,立った姿勢で片方の手をみぞおちに置き,もう一方の手を胸の中央に置きます。息をしながらどちらの手が動くか注意してください。胸に置いた手が動くなら,腹式呼吸を練習する必要があります。
もちろん,呼吸はいつも腹式呼吸でなければならないというわけではありません。(腹式呼吸と胸式呼吸の通常の比率は4対1ですが,この比率も時に変わります。)ここで注意を一つ。肺気腫やぜん息など慢性的な呼吸器疾患の人は,医師に相談してから新しい呼吸法を取り入れるほうがよいでしょう。
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恐れがパニックを引き起こす時
社会恐怖症の人の中には,不安があまりにも激しいため,パニック発作に陥る人がいます。発作を起こす人は突然襲ってくる抗しがたい恐怖感から過呼吸に陥り,気が遠くなり,心臓発作が起きていると思い込みます。
専門家たちは,発作に抵抗しないのが最善であると述べています。発作に襲われた人はむしろ,不安が収まるまでそれに耐えて“乗り切る”ようにと勧めます。ジェラリン・ロスは,「発作はいったん始まると止められない。自然な経過をたどらなければ消えないのだ。恐ろしいけれども危険ではない,と繰り返し自分に言い聞かせなさい。やがては過ぎ去るものだ」と述べています。
広場恐怖症の治療を行なうある機関の理事メルビン・グリーンは,発作を,浜辺に寄せて来る小さな波に例えます。グリーンはこう述べています。「この波は最初の不安感を表わす。波は陸に近づくにつれ,徐々に大きくなっていく。これは不安が高まっていくことを表わす。そのうちに波は非常に大きくなり,最高点に達する。その後,どんどん小さくなり,最後には浜辺に打ち上げられてしまう。不安による発作の始まりと終わりも例えるならそのようなものだ」。グリーンは,発作に見舞われた人は不安感と闘うのでなく,それが収まるまで成り行きにまかせるようにと述べています。
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不安を和らげるには,食生活に気をつけ,定期的に運動し,休息を十分に取るとよい
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エホバは,モーセのような人たちが奉仕において自分の想像していた以上のことを成し遂げられるよう助けをお与えになった
今朝、チャットルームで
自分の親が自分の病気について
わかろうとしてくれないと
嘆いていた子がいた。
精神的な疾患って、難しいよね。
まして、家族だと山あらしのジレンマ
状態になって、何を自分がしなければいけないのか、
何をしたらいけないのかわからなくなる。
わたしも娘に同じことをいわれているんだろうな。
やさしく抱きしめにいってこよう。
自分のことも、優しく抱きしめよう。