
このように,信仰治療師のところに行って得られる益については疑問が残りますが,そうすることに伴う危険については疑問の余地がありません。悪霊とかかわりを持ち,イエスから「不法を働く者たち」と同類の者にみなされる危険があります。さらに,人間の病気の問題に対する,信仰療法よりずっと勝った答えを見いだし損なう危険があります。
より勝った答え,神ご自身の備えてくださった答えがあります。それは聖書の中に説明されています。霊感によるこの書物は,病気がたちどころに治ることを約束しているのではありません。しかし,この本は確かにわたしたちの健康に役立ちます。身体および道徳面の清さに関する聖書の助言に従うことは,性病や喫煙が引き起こすガンなどの現代の疫病をはじめとする様々な病気にかからないようにするのに役立ちます。聖書の諭しに聴き従うことは,ねたみや嫉妬,苦々しい怒りが引き起こす,ストレスに起因する様々な病気を避けるのにも役立ちます。―箴 14:29,30。コリント第二 7:1。ガラテア 5:19‐23。
箴言14章29.30節
29 怒ることに遅い者は識別力に富み,短気な者は愚かさを高めている。
30 穏やかな心は身体の命であり,ねたみは骨の腐れである。
コリント第二7章1節
7 それゆえ,わたしたちにはこのような約束があるのですから,愛する者たちよ,肉と霊のあらゆる汚れから自分を清め,神への恐れのうちに神聖さを完成しようではありませんか。
ガラテア5章19~23節
19 さて,肉の業は明らかです。それは,淫行,汚れ,みだらな行ない,20 偶像礼拝,心霊術の行ない,敵意,闘争,ねたみ,激発的な怒り,口論,分裂,分派,21 そねみ,酔酒,浮かれ騒ぎ,およびこれに類する事柄です。こうした事柄についてわたしはあなた方にあらかじめ警告しましたが,なおまた警告しておきます。そのような事柄を習わしにする者が神の王国を受け継ぐことはありません。
22 一方,霊の実は,愛,喜び,平和,辛抱強さ,親切,善良,信仰,23 温和,自制です。このようなものを非とする律法はありません。
さらに使徒パウロは,病気などの難しい事態に至った時,神に全面的に頼る方法を示しています。神に全面的に頼るなら,様々な思い煩いが除き去られ,「いっさいの考えに勝る神の平和」が得られます。こうした平安な思いがあるなら,信仰治療に頼らなくても,病気の時には心身相関作用による確かな良い影響が体に及びます。―フィリピ 4:6,7。
フイリピ4章6.7節
6 何事も思い煩ってはなりません。ただ,事ごとに祈りと祈願をし,感謝をささげつつあなた方の請願を神に知っていただくようにしなさい。7 そうすれば,一切の考えに勝る神の平和が,あなた方の心と知力を,キリスト・イエスによって守ってくださるのです。
それだけでなく,聖書には,王国,つまりイエスの宣べ伝えた天の政府が現在の利己的で暴力に満ちた事物の体制を一掃した後の全地に行き渡る状態が描かれており,それを読む人は胸の高鳴りを覚えます。その実現が間近いことを理解するなら,これらの記述はいっそう興味深いものとなります。
イエスの奇跡は「しるし」また「異兆」である,と使徒ペテロは語りました。(使徒 2:22)それは,イエスの音信が真実であることを裏付ける「しるし」であり,神の王国によって神のご意志が全地で行なわれるようになるとき,エホバ神から力を受けたイエスが人類のために行なわれる事柄を示す「異兆」でした。その時なされる癒しや復興の業を思いに描いてみてください。
使徒2章22節
22 「イスラエルの皆さん,この言葉を聞いてください。ナザレ人イエス,それは,あなた方も知っているとおり,神がその人を通してあなた方のただ中で行なわれた強力な業と異兆としるしにより,神によってあなた方に公に示された人ですが,
将来のその癒しの業のもたらす結果が啓示の書にこう描かれています。「神は彼らの目からすべての涙をぬぐい去ってくださり,もはや死もなく,嘆きも叫びも苦痛ももはやない。以前のものは過ぎ去ったのである」。これは信頼できる確かな約束です。それが空頼みや欺きに終わることはありません。神ご自身がこう言っておられるからです。「書きなさい。これらのことばは信頼できる真実なものだからである」―啓示 21:4,5。
啓示21章4.5節
4 また[神]は彼らの目からすべての涙をぬぐい去ってくださり,もはや死はなく,嘆きも叫びも苦痛ももはやない。以前のものは過ぎ去ったのである」。
5 そして,み座に座っておられる方がこう言われた。「見よ! わたしはすべてのものを新しくする」。また,こう言われる。「書きなさい。これらの言葉は信頼できる真実なものだからである」。
病気や死のことが気懸かりですか。大抵の人がそのことを気にしています。では,神のそうした約束を調べてごらんになるのはいかがですか。そうした約束は信仰治療よりずっと信頼の置ける,満足のゆくものであることが分かるでしょう。
[6ページの囲み記事]
イエスの癒しは―
● 明らかに神からのものであった
● どんな場合にも完全な効き目があった
● 多くの場合,少しも形式ばらないものであった
● 敵対者たちまでがその効き目を認めた
● 救いの音信の真実性を証明するためのものであった
[7ページの囲み記事]
イエスの癒しは―
● 心霊術やオカルトと関係がなかった
● 感情的な説教を伴わなかった
● 心身相関作用に基づく治療法ではなかった
● 奉仕の務めの最重要な部分ではなかった
● 現代においてそれに倣う業がなされることは予告されていなかった
[5ページの図版]
イエスの行なわれた癒しと今日の信仰治療とには違いがある
本当に、その日が来るといいですね。
すべての人がさわやかな朝を迎え、
仕事をし、家族や友人と食事を楽しめる。
そして、毎日起きるたびに若さを感じ、
少しずつ完全な肉体になっていく。
夢物語なのでしょうか?