
4 重要な問題に直面することになったとき,重大な決定を迫られたとき,由々しい過ちを犯したとき,自分の命が危険にさらされたときなどに,わたしたちの祈りは特に真剣さを帯び,意味深いものになります。エホバは,イスラエル人が不忠実な十人の斥候の持ち帰った消極的な報告を聞いて反逆したため,民は全滅に値するとモーセにお告げになりました。モーセは真剣で意味深い祈りをささげ,み名が関係しているので,そのような行動はお取りにならないように,とエホバに懇願しました。(民数記 14:11‐19)アカンの貪欲が原因でイスラエルがアイにおいて敗北を喫した時にも,ヨシュアはやはりエホバのみ名に基づき,非常に熱のこもった嘆願を行ないました。(ヨシュア 7:6‐9)ダビデの書いた詩編の中には,真剣な祈りの形を取った詩が多くありますが,とりわけ印象深い実例は,詩編 51編です。意味深い祈りに関するもう一つの優れた実例は,アッシリアの王セナケリブがユダを侵略しようとした折にヒゼキヤ王がささげた祈りです。この時もエホバのみ名が関係していました。―イザヤ 37:14‐20。
民数記14章11~19節
11 ついにエホバはモーセにこう言われた。「いつまでこの民はわたしに対し敬意のない振る舞いをするのか。わたしが彼らの中で行なったすべてのしるしを見ながら,いつまでわたしに信仰を置かないのか。12 わたしは彼らを疫病で打ってうち払おう。そして,あなたを彼らより大きくて強大な国民にならせよう」。
13 しかしモーセはエホバに言った,「そうしますと,きっとエジプト人は,あなたがご自分の力によってこの民を彼らの中から導き出されたことについて聞きます。14 そして彼らはきっと,そのことについてこの地に住む者たちに告げることでしょう。彼らは,あなたがエホバでこの民のうちにおられ,顔と顔を合わせて現われられたことを聞いているのです。あなたはエホバであられ,あなたの雲は彼らの上に立ち,あなたは,昼は雲の柱のうち,夜は火の柱のうちにあって彼らの前を進んでおられるのです。15 あなたがこの民をひとりの者になさるようにして死に渡してしまうなら,あなたの名声を聞いてきた諸国民は必ずや言うでしょう,16 『エホバは自分が誓った土地にこの民を携え入れることができなかったので,彼らを荒野で殺りくしたのだ』と。17 ですから今,エホバよ,どうかあなたの力を大いなるものとし,あなたの言われたとおりになさってください。18 『エホバ,怒ることに遅く,愛ある親切に満ち,とがと違犯を赦す者。しかし,処罰を免れさせることは決してせず,父のとがに対する処罰を子に,三代,四代に及ぼす』と言われたのです。19 あなたの大いなる愛ある親切にしたがって,どうかこの民のとがをお許しください。そうです,エジプトの時から今に至るまでこの民を赦してこられたのと同じようにです」。
ヨシュア記7章6~9節
6 これを見てヨシュアは自分のマントを裂き,エホバの箱の前で地にひれ伏して,ついに夕方にまで及んだ。彼とイスラエルの年長者たちがそのようにし,彼らはしきりに頭に塵をかぶるのであった。7 そうしてヨシュアはこう言った。「ああ,主権者なる主エホバ,どうしてこの民にはるばるヨルダンを渡らせたのですか。ただアモリ人の手に渡してわたしたちを滅ぼさせるためですか。わたしたちはいっそヨルダンの向こう側にとどまっていればよかったのです。8 お許しください,エホバよ,イスラエルが敵の前に背を向けた今,わたしは何と言ったらよいのでしょうか。9 カナン人とこの地に住むすべての民はその事について聞くでしょう。そして,必ずやわたしたちを取り囲んで,わたしたちの名を地から断ち去ることでしょう。そうしたら,あなたはご自分の大いなるみ名のためにどうなさるのでしょうか」。
詩篇51編10~19節
指揮者へ。ダビデの調べ。彼がバテ・シバと関係を持ったのち,預言者ナタンが彼のところに入って来たときに。
51 神よ,あなたの愛ある親切にしたがって,わたしに恵みを示してください。
あなたの豊かな憐れみにしたがって,わたしの違犯をぬぐい去ってください。
2 わたしのとがからわたしを完全に洗い,
わたしの罪からわたしを清めてください。
3 わたしの違犯はわたし自身が知っており,
わたしの罪は絶えずわたしの前にあるからです。
4 あなたに,ただあなたに対してのみ,わたしは罪を犯しました。
あなたの目に悪となることをわたしは行ないました。
あなたが話すとき,あなたが義とされるため,
あなたが裁くとき,あなたが潔白であるために。
5 ご覧ください,わたしはとがと共に,産みの苦しみをもって産み出され,
わたしの母は罪のうちにわたしを宿しました。
6 ご覧ください,あなたは内なる所にある真実さを喜びとされました。
秘められた自分におけるわたしに,全き知恵を知らさせてくださいますように。
7 ヒソプをもってわたしを罪から浄めてくださいますように。わたしが清くなるためです。
わたしを洗ってくださいますように。わたしが雪よりも白くなるためです。
8 歓喜と歓びをわたしに聞かせてくださいますように。
あなたによって打ち砕かれた骨が喜ぶためです。
9 わたしの罪からみ顔を覆い隠し,
わたしのすべてのとがをぬぐい去ってください。
10 神よ,わたしのうちに浄い心を創造してください。
わたしの内に新たな霊,揺るぎない[霊]を置いてください。
11 あなたのみ顔の前からわたしを捨て去らないでください。
あなたの聖霊を,どうかわたしから取り去らないでください。
12 あなたによる救いの歓喜をわたしに回復させてください。
喜んで行なう霊をもって,あなたがわたしを支えてくださいますように。
13 わたしは違犯をおかす者たちにあなたの道を教えます。
罪人たちがあなたのもとに立ち返るためです。
14 わたしの救いの神であられる神よ,わたしを血の罪から救い出してください。
わたしの舌が喜びに満ちてあなたの義を告げるためです。
15 エホバよ,どうかわたしのこの唇を開いてください。
わたしの口があなたの賛美を告げ知らせるためです。
16 あなたは犠牲を喜ばれないからです。―そうでなければ,わたしは[それを]ささげることでしょう。
あなたは全焼燔の捧げ物を楽しみとはされません。
17 神への犠牲は砕かれた霊なのです。
砕かれ,打ちひしがれた心を,神よ,あなたはさげすまれません。
18 あなたの善意をもってシオンをよく扱ってください。
エルサレムの城壁を築いてくださいますように。
19 そうなれば,あなたは義の犠牲と,
焼燔の犠牲と,全焼の捧げ物とを喜ばれることでしょう。
そうなれば,あなたご自身の祭壇の上に雄牛がささげられることでしょう。
イザヤ37章14~20節
14 そこで,ヒゼキヤは使者たちの手からその手紙を受け取り,それを読んだ。その後,ヒゼキヤはエホバの家に上って行き,それをエホバの前に広げた。15 そして,ヒゼキヤはエホバに祈りはじめて,言った。16 「ケルブたちの上に座しておられる,イスラエルの神,万軍のエホバよ,ただあなただけが,地のすべての王国の[まことの]神です。あなたご自身が天と地を造られました。17 エホバよ,耳を向けて,聞いてください。エホバよ,目を開いて,ご覧ください。生ける神を嘲弄するために言ってよこしたセナケリブの言葉をみなお聞きください。18 エホバよ,アッシリアの王たちがすべての地と,その地を荒れ廃れさせたのは事実です。19 そして,彼らの神々は火に投ぜられました。それらは神ではなく,人の手の作,木や石だったからです。ですから,彼らはそれを滅ぼしたのです。20 それで今,わたしたちの神エホバよ,彼の手からわたしたちを救ってください。地のすべての王国が,エホバよ,あなただけが[神]であることを知るためです」。
4(イ)モーセとヨシュアは,意味深い祈りに関するどんな実例となっていますか。(ロ)ダビデとヒゼキヤ王はどんな実例となっていますか。(ハ)ここに挙げた数例の祈りに共通していた特色は何ですか。
自分のことでさえ祈れないのに、
ミ名のために祈ったり、
すごいですね。
わたしも同様な祈りをささげられるようになるのでしょうか?