
電話が鳴りました。「はい,もしもし,こちらはあなたの聴き手です」と,退職した71歳の元学校教師が答えました。相手方の婦人の声が言います,「わたしは未亡人で,この家に独りで住んでいます。今晩はなぜかむしょうに寂しく,だれかに話しかけずにはいられません」。この婦人は,“あなたの聴き手にダイアルを”と呼ばれる特別の電話サービスを利用したのです。
寂しさは今日の世界で深刻な問題となっているため,スイスの精神病医パウル・トルニエ博士は,それを,「当代の最も破壊的な病気」と呼びました。若い人も年老いた人も寂しさを経験することがあり,その影響はほんとうに破壊的なものになることがあります。寂しさは病気の回復を遅らせ,老齢者に起こりがちな精神機能の低下を速め,時ならぬ死の原因となることさえあります。
“人口爆発”を経験している世界で寂しさということがこれほどの問題となっているのはなぜですか。この“破壊的な病気”をいやすために何を行なえるでしょうか。
時折、わけもなく、
猛烈な寂しさ、孤独感に襲われるのはなぜなのでしょうか?
わたしには、愛する人がたくさんいます。
わたしを愛してくれて心から気遣ってくれている友もたくさんいます。
なのに、突然おそっくるこの衝動はなに?
調べてみたいと思います。