緊急事態宣言下、多くのレストラン・バー・食堂さんが休んで休業補償をいただくようになっている中、レストラン・食堂内ではなく、自宅で、食事ができるように、お持ち帰り、Take Away、配達などを始めているお店が多い。
休業が長引けば長引くほど、コンビニやインスタン食品だけでは、飽きが来ようというものだが、それ以前に、誰しもが、自宅で調理できるわけでもなく、総菜や弁当を買いに出かけれるスーパーにも感染の危険さえある。
御苑に近い御幸町通りにある行きつけの焼き鳥屋さん、カウンター8席と4人がけの小上がり一つだけの小さなお店だけど、毎朝オーナーの大将が自ら鶏をおろして、鶏刺、焼き鳥、唐揚げから鶏鍋まで、全て一人でこなしている。
ほとんど常連さんとその知り合いばかりが通うお店で、お店に行くたびにだいたい顔見知りのお客さんたちと、一緒になる。
カウンター席がいっぱいになることも、珍しくはないお店も、Social Distancingで隣同士に座ることもなくなり、非常事態宣言の外出自粛で、ぶらっと飲みに入るお客さんも少なくなった。
「 食いもん屋がしまってしまっては、京都市民の食生活は、一体誰が守るんや、」
「 儲けるためとか、商売として生き残りをかけて、などという、"しょうもない” 理由でやるんやない、、」
「 あんまり暇やし、ほんの暇つぶしに、」
とか、格好いいことを言いながらも、日頃の食事である焼き鳥、唐揚げだけでも、持ち帰りができる用意したいと、大将は、非常事態宣言が発令された4月後半から、持ち帰りを始めることにした。
玄関口に張り紙を出し始めた途端に、常連客さんだけでなく、通行人からの持ち帰りオーダーが増え始め、とうとう先週末には、夕方6時には仕込んだお肉が終わってしまうほどになった。
久しぶりに友人のイケちゃんと、店内で食事することを、楽しみしていたのに、もうアタクシの分が残っていない、という電話が彼からあって、がっくり。
お肉の仕込みはもとより、いつもは夕方からの仕事中心の生活だったから、昼間に仕事をするようになって疲れが倍増、
「しもた、も少し持ち帰り焼き鳥の値段、たこうしとけばよかった。。。」
などとぼやきながら、料金は最初と変わらず、今日も大忙し。
ヘビーロックが大好きで、今でも時々はコンサートに出演して、ブルーススプリングスティーンを歌う、ロックシンガーでもある大将、田村さんの次のリサイタルには、観客が倍増、三倍増するに違いない。