信州読書会さんに参加させていただいて、毎週金曜日に
 課題図書の感想文を提出させていただいていますニコニコ

 

  今回は、E・ブロンテの『 嵐が丘 』の感想です本

 

  寒風吹きすさぶヨークシャーにそびえる「嵐が丘」の屋敷…。
  その主人に拾われたヒースクリフは、屋敷の娘キャサリンに
  思いを寄せながら、若主人の虐待に耐え忍びます汗

  そのキャサリンに結婚話が持ち上がり、絶望の中、

  屋敷を去っていくヒースクリフ。

  やがて、彼は莫大な富を得て、復讐に燃えて帰ってきます…あせる

 

  ざっくりとしたあらすじだけだったら、怪奇小説のようですが、

  「世界中の女性を虜にした恋愛小説」と銘打たれています。

  荒野の厳しさを描いていたり、不遇のヒースクリフの猛執が

  三代にわたっていたりで、私はどうしても「怪奇小説派」

  です(笑)

  あの美内すずえ氏の漫画「ガラスの仮面」にも「嵐が丘」は

  演劇として登場するので、そちらの方でご存知かの方も

  いらっしゃると思いますウインク

 

  物語の厳しい展開もありながら、何度も映画化も

  されています。

  小説内の語り部が何回も変わり、時系列も入り乱れたり、

  「又聞き」のていで書かれたりと一見して複雑の上、

  長編です汗
     最初は、映像で概要を掴んでから、小説に入るのもいいかも

  しれませんビックリマーク

 

 

 

  

『 魂のつながり、復讐の結末 』

 

 ( 引用始め )

 

 ネリー、あの子がわたし以上にわたしだからよ。人間の魂がなにで出来ていようと、ヒースクリフとわたしの魂はおなじもの。リントンの魂とは、稲妻が月明かりと違うくらい、炎が氷と違うくらい、かけ離れているの。

                < 新潮文庫 鴻巣友季子訳 P.169 >

 

 ( 引用終わり )

 

嵐が丘のキャサリンが、鶫が辻のエドガーと結婚する際に、女中ネリーに本音をぶつけた台詞である。
アーンショウ家に突如、拾われてきたヒースクリフ。兄ヒンドリーから虐待を受け、魂の同質を感じた妹キャサリンは、他の男性と結婚してしまう。傷心の中、ヒースクリフは姿を消す。お互いに、ヒースクリフとキャサリンは、魂のつながりを感じ恋に落ちるが、社会性が二人の未来を阻む。魂的に同質なヒースクリフより、社会的に同質なエドガーをキャサリンが選んだところから、悲劇が始まる。

冒頭の台詞のように、キャサリンは「愛」と「社会」を分けて、使いこなせると思っていた。ただ、ヒースクリフは上流階級出身ではなく、社会性なんて理解できない。ただゝ、裏切られただけだ。そこからは、目を覆うような三代にわたるヒースクリフの復讐劇が始まる。
ヒースクリフの思惑は成功し、アーンショウ家とリントン家の財産を手に入れる。望まない結婚、望まない子供も厭わず、復讐だけに邁進する。根底に、キャサリンへの思慕があると思わなければ、とても読めなかった。キャサリンとの再会後も、愛と憎悪が入り乱れ、キャサリンの命を縮めてしまう。ただ、「愛」とは相手の幸せを優先するものだと思っていたが、登場人物全員「我欲」のような気がした。誰かひとりでも、愛情を抱ける人物がいたら…。

 

結局、財産も手に入れ、両家の幸せもぶち壊し、復讐も完結したかのように見えたヒースクリフだったが、ヘアトンの中にかつてのキャサリンの面影を感じ「さえない結末じゃないか。」と自虐的に呟く。ヘアトンとキャサリン・リントンとの結婚を急ぎ、すべてを奪おうとしていたが、嵐が丘と鶫が辻は結局、正統な継承者へと二人の結婚によって戻っていく。ヒースクリフの胸中はどうであっただろうか。


ヒースクリフの死後、墓地でキャサリンとヒースクリフの幽霊の噂がたつ。人間は、所属社会が違うといかに魂で結ばれていても、現世では結ばれないこともある。とても切ないけれど。ヒースクリフとキャサリンの恋は、死して実ることができたのかもしれない。

 

 

 

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