信州読書会さんに参加させていただいて、毎週金曜日に
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  今回は、太宰治の『 皮膚と心 』の感想です本

 

  28歳の主人公の女性に、ある日吹出物ができる。体中に

  広がった吹出物に不安を覚え、夫と共に病院を訪れる。

  その待合室で、元々顔に自信がなく、やっと舞い込んできた

  夫の縁談も乗り気ではなかった・・・という過去をもつ女性は、

  いろいろと考えあぐねる。

  急に、女性としての不安や寂しさを覚えるようになる・・・。

  というのが、ざっくりとしたあらすじです。

  女性にとっては、皮膚は思いのほか大切なものです。

  女性としての美醜や幸せ、人生を量るものなのです。

  ただ、普段は皮膚の下に隠している、女性の虚栄心や打算、

  表には出せない醜いモノなどが、とても自然に表現されています

  。とても、男性作家が書いたとは思えませんでしたビックリマーク

  女性心理を知りたい男性にも、自らの無意識の欲望を見て

  みたい女性にもオススメです!!

 

 

 

  

『 泥沼と悪魔 』

 

 十年くらい前、赤い湿疹がぷつぷつと私の肘の内側にできた。単純にあせもだとほっておいたら、すぐに全身に広がって、痒くなった。慌てて、病院に行ったら、医師は私をひとめ見て「ジベル薔薇色粃糠疹(ひこうしん)」とさらさらと病名を告げた。私は痒みより、一度では覚えられないその病名に気を取られた。「薔薇色っていいな」となぜか感傷的な気分になった。「たぶんストレスなので、ゆっくり休んでください」と診断されたが、病名が判明した時点で、もう治ったような気がしていた。女性って、皮膚病になると、不思議と感傷的な気分になるのかとこの小説を読んで、自身のことを思い出した。たぶん、皮膚って女性にとって、女性が思う以上に大切なものなのだろう。

この小説の主人公の「私」も、自分のことを「おたふく」や「おばあちゃん」といい、自信がない態を装っていたが、実際に吹出物に占領されてしまうと、心の奥に潜んでいた皮膚に対するプライドに気がつく。「私」が自負していた謙譲やつつましさ、忍従は吹出物の前には贋物だったと気付いてしまう。それだけ、「皮膚」って心と繋がっていて、繊細なものだとこの小説のタイトルも教えてくれる。

 

( 引用始め )

 

言えない秘密をもって居ります。だって、それは女の「生まれつき」ですもの。泥沼を、きっと一つずつ持って居ります。それははっきり言えるのです。だって、女には一日一日が全部ですもの。男とちがう。死後も考えない。思索もない。一刻一刻の、美しさの完成だけを願って居ります。生活を、生活の感触を、溺愛いたします。女が、お茶碗や、きれいな柄の着物を愛するのは、それだけが、ほんとうの生き甲斐だからでございます。

                    ( 新潮文庫 P.115 )

( 引用終わり )

 

女性は、「泥沼」を持ちながらも、美しい物も溺愛する。だからこそ、貧相な夫であっても有名な化粧品店の蔓バラ模様の商標を考案したという事実は、皮膚の下に隠れている「私」のプライドをいつも刺激してくれる。

だが、女性の不埒と浮遊からなる「悪魔」の存在にも気付いている。でも、それは普段はすべて「皮膚」の下なのだ。「泥沼」も「悪魔」も「プライド」もだ。

それを覆い隠せていた「皮膚」に吹出物ができると、隠せていたものが顔を覗かせてきた。だが、夫による思いやりで、危うく完全な浮上を免れた。病院の帰りにはすっかり治ってしまう。女性の皮膚=心を守るのは、やはり愛なのか。

 

 

 

 

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