信州読書会さんに参加させていただいて、毎週金曜日に
 課題図書の感想文を提出させていただいていますニコニコ

 

  今回は、ジョージ・オーウェルの『 動物農場 』の感想です本

  飲んだくれの農場主ジョーンズを追い出した動物たちは、

  すべての動物は平等という理想を実現した「動物農場」を

  設立した…。

  こんなあらすじだと、最初は「ブレーメンの音楽隊」のような

  ほのぼのとした人間への仕返しの物語なのかなと思ってしまい

  ましたが、中身はなかなかのシビアなストーリーでしたビックリマーク

  戒律を定め、動物主義を標榜し、農場は共和国へと変貌して

  いきます。知力に優れたブタが大統領に選ばれますが、

  ブタは手に入れた特権を次々と拡大していきます。

  もう、ここまでくると人間なのか動物なのかわからなくなって

  しまいますね汗

  かなりパンチの効いた風刺の物語ですが、是非手に取って

  頂きたいと思います!!

 

 

  

『 魔物から怪物へ 』

 

 この物語が痛快なのは、農場の動物たちが人間たちを追い出したところまでだった。

人間の搾取に気がついた動物たちが豚を指導者に、「平等」な世界を目指して平和な農場を作り、めでたしめでたし…とはいかなかった。ただの寓話では描かれないその後が背筋を凍らせる。

 

農場に見立てた社会主義革命後のソビエトが腐敗してゆく様を描いた物語だが、これがソビエトだけの話だとはどうしても思えない。

老豚メイジャーの主義思想を受け継いだ若き雄豚ナポレオンとスノーボールが、反乱を主導し実権を握る。最初は「権力」という魔物に魅入られた雄豚たちが、覇権者としての「怪物」になっていく様を、悲観的な思いで読み進めていた。しかし、はたとそうではない違和感が途中から私を襲ったのだ。愚かなのは雄豚たちではなく、指導者を「怪物」に仕立ててしまった他の動物たちではないか。頭が悪いことを「労働」で補おうとするボクサー。七戒が都合よく書き換えられていることを、字が読めないことを盾にそれ以上考えない他の動物たち。確かに、自ら考えないで従うことは楽なのだ。そのことが指導者を益々愚かにしていき、取り返しがつかない。自治とは、他人の統制に縛られずに、自らの規範や目的に沿って行動できることだ。ただ哀しいかな、それには自己の意志を具現化できる能力が必要だった。動物たちが自らの能力を省みることができなかった悲劇だ。

それは、ソビエトだけの問題ではない。日本でも現在、長期政権だ。安定というメリットもあるが、デメリットもある。選挙で信任された直後に、控除から外されるものが増えて賃金に影響したり、某獣医学部の認可がひっそりと下りる。動物たちでいえば、豚だけが肥え太り、他の動物たちは配給が減り、労働だけが増える。でも、それもこれも自らの眼で見て、自らの頭で考えて、声を上げなかったことに由来するのだ。自らが変わらない限り、指導者をいくらすげ変えても同じだ。ナポレオンが人間に見えるのも当然の結果だろう。自らの指導者が「怪物」にならないように、動物農場の動物たちのように愚かにならないように、自らを戒めることが…一番難しい。

 

 

 

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