ロイは夢の中で何者かから呼びかけられた
??:「目覚めよ、目覚めるのだ」
ロイ:「誰だ。あんたは何だ?」
ロイは不思議と誰ではなく何と聞いた。
直感でこれは人ではないと悟ったのかもしれない。
??:「私はお前に力を与えたものだ」
ロイ:「力?何のことだ!そんなもの貰った覚えはない」
??:「祭壇の間で確かに渡した。覚えておらぬか?」
ロイ:「??」
??:「まあよい。とにかく渡したのだ。お前は私との契約により世界を巡ってもらう」
ロイ:「勝手なことを言うんじゃない。大体、力とは何だ?」
??:「わが力、炎を操る力だ」
ロイ:「炎だって?そんなことがホントにできるのか?」
??:「試してみれば分かる。ここはお前の深層意識の中、ここでならどれだけ力を使おうとも問題はない」
ロイ:「深層意識ってなんだ?」
??:「ここはお前の空間ということだ」
ロイ:「炎なんてどうやって操るんだよ」
??:「操るには集中する必要がある。まずは自分の手の平に炎が乗っている姿を思い描くのだ」
ロイ:「手の平に炎が乗っている姿…」
ロイは目の前にある炎を手の平に乗るイメージで炎をすくってみた。
なんと炎が物ように掴める。
試しに投げてみた。
ロイ:「うおぉぉぉ。炎が投げれる」
??:「どうだ?すごいだろう??」
ロイ:「すげえぇぇ」
??:「わが力をもってすれば炎の形を変えたり、生み出すことも可能だ」
ロイ:「形を変えたり、生み出すだって!?」
??:「形を変えるには変えたい形を思い描き続ける必要がある。意志力と集中力が必要になるのだ。いきなりには無理だろう」
ロイ:「やってみなければ分からないさ」
ロイは目の前の炎から掴み取り、手の中で手の形に炎を操作した。
少しずつ手の中で手の形になっていくが、途中で集中力が切れる。
ロイ:「ダメだ。難しすぎる」
??:「まだ無駄が多いのだ。慣れれば形作るのに必要な時間も短く、正確になっていく」
ロイ:「炎を生み出すとかも言ってたよな?どうやるんだよ」
??:「まあ、待て。炎を生み出すには体の中で炎が湧き上がる姿を思い描き、それを手の平に移動させるのだ。ただ忘れてはならぬ。炎を生み出すにはお前の体力を使う。しかも炎の量と質によって消費される体力は異なるのだ」
ロイ:「まあいいや。とりあえずやってみよう。炎が湧き上がる…、炎が湧き上がる…」
ロイは炎が湧き上がるイメージをした後、それを手の平に移動させた。
すると突然、ロイの手が燃え出した。
突然燃えたことでパニックになるロイ。
ロイ:「うわあぁぁぁ。燃えた燃えた」
熱くないことで次第に冷静になるロイ。
ロイ:「って熱くないし…」
集中力が切れた途端、炎が消えてしまった。
ロイ:「やっぱり難しいな」
??:「だが筋は良い。後は慣れだ。精進するがいい。私はいつでもお前と共にある。好きな時に呼ぶといい」
そこでロイの夢が覚めた。
だが夢の中の出来事をロイはすっかり忘れていた。
いつものようにミィナと話したり、遊びまわり一日が過ぎていく。
そして再び夜、眠りについたとき再び呼びかけられた。
??:「目覚めよ」
ロイ:「誰だ?」
??:「昨日のことをもう忘れたのか?」
ロイ:「あ!あんたは昨日の?」
??:「そういえば名乗っておらなかったな。私はグランディーネだ。グランと呼べ」
ロイ:「グランディーネ?それって火竜の名前じゃあ?」
グラン:「お前の記憶から持ってきただけだ。意味はない」
ロイ:「なんだそれ…、まあいいか」
グラン:「昨日のことを思い出したのか?」
ロイ:「ああ。思い出した」
グラン:「ならば復習だ。掴んで見せよ」
ロイの目の前に炎が巻き起こった。
ロイは集中し、炎に手を入れる。
ロイは炎をつかむことができた。
そのまま形を変えだした。
炎を操作して球状にしようとする。
だが、球の形を維持できず、四散してしまう。
ロイ:「くぅううう」
何度も試しては崩れる。
ある程度形を保てるようになった頃、夜が明けた。
この日から毎晩寝ている間は意識の中で炎の整形と生成に明け暮れた。
ある程度コツらしきものを掴んだ翌日、村に来訪する者が現れた。
小さな女の子を連れた男女2人組で、2人組は女の子によく似ていた。
男女2人は小さな女の子の両親なのだろう。
小さな女の子は身なりがしっかりしており、高い位のご息女のようだった。
