0=コロ | 鉄道マンたしろかおるのナイショ話

鉄道マンたしろかおるのナイショ話

元山手線運転士・元参議院議員 たしろかおる の鉄道ブログです。

元山手線運転士、現在は参議院議員の たしろかおる です。


今日の関東地方は雪です。都心でも積雪がありました。鉄道のダイヤもかなり乱れているようです。雪による輸送混乱の中、安全な運行の確保のために、今日も業務に従事している鉄道マンの仲間たちに、心より敬意を表します。


雪の日の列車の運転については、後日、詳細を掲載予定ですが、とにかくブレーキが効かないのです。ですから運転も慎重になり、ダイヤが乱れる一因となります。


今日も鉄道マンたちは懸命に業務に従事しています。ご利用の皆様には、ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解いただきますよう、仲間たち代わりまして、お願いいたします。


さて今回は、週に1回のペースで掲載しています「鉄道マン たしろかおるのナイショ話」。今回は鉄道独特の数字の数え方について書きます。



鉄道が好きな方ならご存じだと思いますが、列車には全て列車番号が付けられています。朝のラッシュ時、次から次へとやって来る首都圏の通勤電車にも、もちろん全て列車番号が付けられています。
 
輸送指令員が列車無線で運転士を呼び出す際も「○○-△△間走行中の1300G運転士、応答どうぞ」などと、列車番号を使って呼びかけます。このような無線や電話でのやりとりの際、聞き間違いを防止するため、聞き取りづらい数字は鉄道独特の言い方をします。


「2」を「フタ」というのは、宝くじの抽選会で当選番号を読み上げる際にも「22組」を「フタジュウフタクミ」などと言っているので「鉄道独特」とは言えません。


鉄道独特といえば「0」です。「レイ」「ゼロ」などの呼び方がありますが、国鉄~JRでの呼び方は「コロ」。上記の指令からの呼びかけを例にすると「○○-△△間走行中の“センサンビャクコロコロジー”運転士、応答どうぞ」となります。


列車番号だけでなく、乗務点呼等で列車の発車時刻や到着時刻のやりとりをする際にも、たとえば「13:00」を「ジュウサンジコロコロフン」、「13:01」を「ジュウサンジコロイップン」などと言います。


JR関係者以外の方と話すときも、つい「ジュウサンジコロイップン着の電車で着きます」などと言ってしまい、相手が「ポカン」としてしまうことも。


ちなみに、列車の運転時刻を予め早めることを「上げ」、遅らせることを「下げ」といいます。例えば「1353Gは池袋-田端間1分30秒下げ」といえば、「1353Gという列車は、田端と池袋の間で所定運転時刻より1分30秒遅らせて運転する」という意味となります。


この「上げ」「下げ」を、職場の仲間たちとの日常会話でも、集合時間を早めたり、遅らせたりするときに「上げ」「下げ」と使っています。


これもまた、JR関係者以外の方との会話で「明日の集合時間は30分上げで。」などと言ってしまうと、相手は「ポカン」としてしまうことに。これもまた、職業病です。





ちょっと古いですが、仲間より提供していただいた武蔵野線101系の写真です。正面上部左側にあるのが列車番号表示器。この写真の列車の場合、列車番号の後半部分「01E」を表示しています。


首都圏の通勤線区では、この表示に始発駅発車時刻の「時」を付けます。例えばこの写真の列車が、武蔵野線府中本町駅13:00始発の下り列車とすると「1301E」=「センサンビャクコロイチイー」となります。


上りは表示より1を引き、例えば西船橋駅13:00始発の上り列車とすると「1300E」=「センサンビャクコロコロイー」となります。ですから平常時は、出区時に列車番号を合わせれば、途中の折り返し駅で列車番号表示をいちいち変える必要はありません。


環状運転の山手線は、外回りが奇数、内回りが偶数となります。また、環状運転をしている時は終点がありませんので、始発駅、終着駅を大崎駅としています。ですから、環状運転時は大崎駅を通るたびに、列車番号が変わることになります。

ちなみに列車番号表示器は、205系初期型までは手動。手回しハンドルもついていませんでした。十の位、一の位、アルファベット、それぞれの幕の上下の巻き取り棒を「ガラガラ」と回して、表示を合わせました。

205系も後期型になると、乗務員室内の列車番号設定器で列車番号を設定すれば、列車番号表示器に表示されるものに変わりました。




さらにE231系以降は列車番号全てをデジタル表示できるようになり、前面に「1300G」などと表示されています。写真の山手線E231系にも、左上に「1214G」と列車番号の全てが表示されています。




今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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