情報の収集や現地調査を経て「この物件を買う!」とい
う結論が出たならば、すぐに「買付証明書」を売主又は
、仲介業者にあてて提出します。

 

買付証明書は、物件の購入希望者が、売主又は仲介業者
に対して、その不動産を購入する意思があることを証明
する書面です。

 

この書面は、購入希望者の一方的な意思表示にすぎませ
んから、まだ法的な拘束力はありません。

 

その為、その後、実際物件を購入するかしないかは提出
者の自由です。

 

しかし、安易に買付証明書を取り下げると、不動産業者
の信用を一気に失い、それ以降まともに対応してくれる
ことはなくなるでしょう。

 

ですから、たとえ法的拘束力がなくても、安易に提出す
ることは避けなければなりません。

 

書面には、購入金額、手付金、名前、契約希望日等を記
入し、売主がそれらの条件を了承すれば、仲介会社を通
して具体的な契約交渉に進みます。

 

ちなみに、同じ物件に対して何枚も買付証明書が入って
競合した場合は、建前は先着順ということになっていま
すが、買付証明書には「融資特約」をつけられるので、
売主側からすると特約付きの買付証明書の提出者は、
必ずしも確実に購入してくれるとは限らないことから次
のように決められることが多いようです。

 

先着順のほかにもローン特約の有無や融資実行の見込み
、属性、さらには当然ながら購入金額などを考慮して、
実際の交渉に入る買主が選ばれます。

 

<購入金額の決め方>

 

 物件概要書に提示されている物件価格を参考にして、
 いくらなら購入するのか、金額を決めて記入します。

 

 物件概要書に提示されている価格のままで良ければ、
 そのままの金額を記入し、提示されている価格より
 安い金額で買いたい、つまり値引きを交渉したい場
 合は、いくらなら買いたいのか記入して売主に提示
 します。

 

 ただし、売主が想定している値段とあまりにかけ離
 れていると、買付証明書自体を受け取ってくれない
 こともあり、あらかじめ仲介業者に相談してから、
 指値をするといいでしょう。

 

 その物件をどうしても手に入れたい場合には、提示
 価格よりも高い指値を入れることも可能で、これを
 「買い上がり」といいます。

 

<手付金の決め方>

 

 売買契約が成立した時に、買い主から売主に支払う
 お金が手付金です。

 

 物件価格の3~10%程度の金額を記入することが多い
 のですが、
建築中の物件なら5%、それ以外なら10%
  、あるいは金額で1,000万円を超えると、仲介業者
 が、その手付金に対して保全処置をしなければなら
 ないと法令で決められている為、あえてそれ以下に
 することもよくあります。

 

 又、万が一の契約不履行時には、買主の理由による

 場合には手付金の放棄、売主理由の場合には手付
 金を倍返しする、と定める契約を結ぶのが一般的で
 す。

 

<融資特約(ローン特約)について>

 

 融資特約とは、その物件に関して買主が金融機関に
 融資を申し込んだものの、審査が通らなかった場合
 には契約を白紙に戻せる、なかったことにという特
 約です。

 

*ちなみに上級者向けには、事前に金融機関より融資
内諾を取り付けておき、融資特約なしで買付を出して
、優先順位を上げてもらうというテクニックもありま
す。

 

但し、この方法は、万が一融資承認が降りない場合に
は手付金を放棄しなければならないので、リスクが高
いことも、留意すべきでしょう。