旧GREEが消える前に全部記録できるかな?
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シン
「かおる、やっと来たか」
かおる
「シンさん、用ってなんですか」
シン
「お前、甘いものは好きか?」
かおる
「え?割と・・・いや、結構好きです・・・」
シン
「なら、これをやる」
シンさんからクッキーの入った袋を渡される。
かおる
「え?いいんですか!?」
シン
「クッキー程度でそんなにはしゃぐな。偶然港町でもらったもんだ」
かおる
「でも、ありがとうございます」
シン
「ああ」
○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
かおる
「・・・というわけでシンさんからクッキーをもらったんですけど」
ナギ
「そうか」
かおる
「ナギさんも食べますか?」
ナギ
「お前・・・他人からもらった食いもんをそんなにホイホイ食べるな」
かおる
「え?でも、くれたのはシンさんだし・・・」
ナギ
「あいつが親切にモノくれるとも思えねぇだろ」
かおる
「そうかもしれないですけど・・・」
ナギ
「・・・まぁいい、食いたきゃ食え」
かおる
「は、はい・・・」
(ナギさん、なんか不機嫌そうだな・・・)
私はクッキーを口に運んだ。
かおる
「ん!美味しい!!」
口いっぱいに甘い香りが広がる。
かおる
「ナギさんも食べてみてください。すごく美味しいですよ」
ナギ
「いや・・・いい」
かおる
「食べないんですか?こんなに美味しいのに」
ナギ
「何が入ってるかわかんねーだろ」
かおる
「でもちゃんとしたお店のだと思うけどな。
袋に可愛いリボンのマークが入ってるし」
ナギ
「リボンのマークだと?」
かおる
「ほら、ここです」
ナギ
「・・・お前、これはモルドーでも有名なクッキー屋の袋だ」
かおる
「え?そうなんですか?」
ナギ
「・・・並んでも買えないくらいの人気らしい」
かおる
「そんなものをなんでシンさんは私に・・・?」
ナギ
「・・・しらねぇよ」
かおる
「ナギさん?」
ナギ
「ちょっと貸せ」
かおる
「あ・・・」
ナギさんがクッキーを一口食べる。
ナギ
「・・・悪くない」
かおる
「・・・ ・・・ 」
ナギ
「かおる」
かおる
「は、はい!」
ナギ
「お前、こういう菓子好きか?」
かおる
「はい!」
ナギ
「・・・そうか」
かおる
「あ、あの・・・」
ナギ
「もっと美味いヤツを食わせてやる」
かおる
「え?ナギさんが作ってくれるんですか?」
ナギ
「そうだ」
かおる
「い、いいんですか!?」
ナギ
「アホ、勘違いするな」
かおる
「勘違い?」
ナギ
「お前の舌がこんなもんで満足するようだったらオチオチ買出しも頼めねーだろ
大して良くない食材でも喜んで買ってきそうだ」
かおる
「買出し・・・勉強ってことですか?」
ナギ
「そうだ。だから作るのはお前も手伝え」
かおる
「ええっ!?」
○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
私はナギさんと一緒にクッキー作りを始めた。
ナギ
「もっと、しっかり生地をこねろ」
かおる
「は、はい!」
ナギ
「・・・ダメだな」
かおる
「うう・・・」
ナギ
「・・・ったく、一回だけ教えてやる」
ナギさんが後ろから抱きしめるように私の手を握る。
かおる
「え?ちょ、ちょ・・・ナギさん!」
ナギ
「アホ、集中しろ」
ナギ
「いくら見せてもお前が覚えねーからこうするしかねーだろ」
かおる
「・・・すみません」
ナギ
「・・・いいか、力の入れ方が違うんだ」
かおる
「はい・・・」
(ナギさんって、手大きいな・・・、それに温かい・・・)
ナギ
「おい」
かおる
「は、はい!」
ナギ
「・・・もういい。俺がこねた生地を焼く」
かおる
「すみません・・・」
(しまった・・・。つい考え事をしてしまった・・・)
ナギ
「お前はそこにある薪を使って、キッチンストーブに火をつけとけ」
かおる
「これですか?」
「ああ。うまくいかなかったら後で調整してやるから、まずはやってみろ」
かおる
「はい」
ナギ
「俺はクッキーの型を持ってくる」
かおる
「わかりました」
私はキッチンストーブの蓋を開けて薪を並べ始めた。
(キッチンストーブなんて触るの始めてだな・・・)
かおる
「ここを・・・こうして・・・」
(これでいいのかな?)
火をつけると次第に大きくなる。
かおる
「すごい、どんどん大きくなる」
(良かった・・・これなら手伝えそう)
パチッ!
かおる
「うわっ!火の勢いがすごい!早く扉を閉めないと」
バタン
かおる
「ふう・・・」
(それにしてもどうやったら、ナギさんみたいに生地を上手くこねられるのかな・・・)
かおる
「力が足りないのかな」
私は自分の手を握ったり開いたりしてみる。
かおる
「でもお菓子屋さんには女の人だって沢山いるし・・・」
(うーん・・・、分からないや。・・・それにしてもこの部屋妙に暑いな)
ナギ
「・・・かおる!」
かおる
「あ、ナギさん」
ナギ
「すぐにストーブから離れろ!」
かおる
「・・・え?」
後ろを振り返ると締めたはずのストーブの扉が開いて、炎が私の服に燃え移っていた。
かおる
「わっ!火が!」
ナギ
「・・・クソッ!」
ナギさんが持っていたクッキーの型を投げ捨てて向かってくる!
かおる
「ナギさん・・・!火がっ!熱いっ!」
ナギ
「落ち付け!俺のほうを向け!」
ナギさんが火を手で叩いて消していく!
かおる
「ダメ!消えきらない!」
ナギ
「・・・服を脱げ!」
かおる
「え?服?」
ナギ
「・・・破るぞ」
かおる
「え?」
ビリィッ!!
ナギさんが燃えている私の服を一気に引き裂いた。
同時に火の勢いが弱まる。
ナギ
「水かけるぞ!」
かおる
「は、はいっ!」
バシャッ!
部屋のスミに置いてあったバケツの水をかけられる!
かおる
「冷たっ・・・!」
ナギ
「・・・ ・・・」
かおる「・・・ ・・・」
ナギ
「・・・消えた・・・みたいだな」
かおる
「よ、良かった・・・」
ナギ
「ったく、こないだ扉を直したばっかりだってのに・・・」
ナギさんがオーブンの扉をきつく閉めた。
かおる
「あ、あの・・・危ないところをありがとうございました」
ナギ
「いや、俺も扉のことを伝え忘れ・・・ ・・・」
かおる
「・・・?」
ナギさんが急にそっぽを向く。
ナギ
「・・・悪い、服」
かおる
「・・・!?」
私は服が破れた上に、水を掛けられてあられもない姿になっていた。
かおる
「わ、私・・・!」
ドタドタドタッ!
ハヤテ
「どうしたっ!なんかナギ兄とかおるの叫び声が・・・」
かおる
「は、ハヤテさん・・・」
ハヤテ
「そ、その格好は・・・」
ナギ
「・・・ ・・・!」
ナギさんがとっさに私を包み込む。
ナギ
「見るな!別にたいしたことない」
ハヤテ
「で、でも・・・」
ナギ
「・・・大丈夫だって言ってるだろ」
ハヤテ
「あ、ああ」
かおる
「・・・ ・・・」
ハヤテ
「ナギ兄、何かあったら言えよ」
ナギ
「ああ・・・」
ハヤテさんがキッチンを出て行く。
かおる
「あ、あの・・・」
ナギ
「・・・ ・・・」
かおる
「・・・ ・・・」
ナギ
「ヤケド、大丈夫か?」
かおる
「ナギさんがすぐに助けに来てくれたから・・・多分」
ナギ
「そうか・・・」
かおる
「・・・ハヤテさんに変なところ見られちゃいましたね」
ナギさんの鼓動が密着した身体から伝わってくる。
ナギ
「・・・ふぅ」
かおる
「ナギさん?」
ナギ
「お前が無事でよかった」
かおる
「・・・すみません」
ナギ
「・・・ ・・・ 」
かおる
「・・・ ・・・」
ナギ
「かおる・・・」
かおる
「はい・・・」
ナギ
「お前はもっと考えて行動しろ」
かおる
「すみません。ストーブの扉をもっとちゃんと調べるべきでした」
ナギ
「そうじゃない」
かおる
「え?じゃぁ何を・・・?」
ナギ
「お前の身体は誰にでも見せていいもんじゃないだろ」
かおる
「そ、それはそうですけど・・・」
(ハヤテさんに見られたこといってるの・・・?)
ナギ
「見られたくないなら自分でなんとかしろ」
かおる
「ご、ごめんなさい」
ナギ
「食い物も、無闇にもらったりするな」
かおる
「クッキーの事・・・ですか?」
ナギ
「・・・ ・・・。お前の食うもんは俺が用意してやる」
かおる
・・・ ・・・」
ナギ
「・・・お前が自分で考えて動かねーと、いくら俺でも護りきれない」
(ナギさん・・・)
かおる
「・・・ ・・・」
抱きしめられていた腕がスッと離れる。
ナギ
「ほら、ひとまず部屋に戻って着替えろ」
かおる
「は、はい。でもこの格好・・・」
ナギ
「これでも巻いとけ」
ナギさんからサロンエプロンを受け取る。
かおる
「これで隠せるかな・・・。ん?なんか変だな?」
ナギ
「ぷっ、なんかマヌケな格好してんな」
かおる
「ひ、ひどい・・・自分ですすめておいて」
ナギ
「仕方ねーな。テーブルクロス外してやるから、それでも羽織って行け」
かおる
「ありがとうございます」
ナギ
「・・・今日言ったこと、もういわねーからな」
かおる
「え?」
ナギ
「いいな」
かおる
「は、はい」
ナギ
「ほら、とっとと着替えて来い。俺はストーブを見てる」
かおる
「わかりました!」
船室に戻る途中、私はナギさんの言葉を思い出していた。
自分の考え無しの行動を反省しながら、
私はナギさんの隣にいるためにできることを全力でしようと思った。