旧GREEが終わる前にどこまで残せるか…?
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かおる
「ナギさん、出かけるってどこに行くんですか?」
ナギ
「・・・食料の調達だ」
かおる
「調達って・・・街まではまだ距離があるってシンさんが言ってましたよ」
ナギ
「ああ。だからだ」
かおる
「え?」
ナギ
「これ持っとけ」
長い竿を渡される。
かおる
「これって釣竿ですよね」
ナギ
「他に何に見えるんだよ」
かおる
「あの食材の調達ってもしかして・・・」
ナギ
「釣りをする。ボートに乗って」
かおる
「はぁ・・・」
ナギ
「お前もな」
かおる
「ええっ!?」
ナギ
「・・・船長、それじゃ行ってきます」
リュウガ
「シリウス号よりでっかいヤツ、釣ってこいよ!ハッハッハッ!」
トワ
「そんなの釣ったら船ごと沈んじゃいませんか?」
リュウガ
「気合で何とかなるだろ!気合で!」
トワ
「気合・・・」
ハヤテ
「新鮮な魚待ってるぜ、ナギ兄!」
ナギ
「ああ」
シン
「・・・しかしかおるも連れて行くのか」
ナギ
「・・・・・・」
ハヤテ
「女なんて連れてっても、役にたたねーんじゃねーの?」
ソウシ
「ハヤテ、そういうこと言わないの」
シン
「まぁ、暇つぶしくらいにはなるか」
かおる
「ひ、暇つぶしって・・・ひどい」
シン
「ほう、自分が役に立てると思っているのか?」
かおる
「私だって少しは・・・」
シン
「ナギ、どうなんだ?」
ナギ
「・・・ただの素人よりはマシかもな」
かおる
「そ、そうですよ!私だってシリウス号に来てから、それなりにたちますし!」
ハヤテ
「へぇ・・・」
かおる
「魚だってこないだ、さばき方をナギさんに教えてもらいましたし・・・」
ナギ
「・・・・・・」
かおる
「私なりに精一杯頑張るから、大丈夫です!」
シン
「心配いらないと?」
かおる
「はい!」
ハヤテ
「大好きなナギさんのために、頑張るのか?」
かおる
「そうです!・・・って、え?あ!」
(しまった、ノリで、つい)
シン
「そうかそうか」
シン
「かおるは『大好きなナギさん』のために頑張るのか」
かおる
「え・・・」
ハヤテ
「まぁ、それなら止めるのは野暮ってもんだな」
かおる
「ちょっと・・・」
ソウシ
「若い男女・・・私は止めないよ。ナギなら・・・うん、任せても大丈夫」
かおる
「ソウシさん・・・」
トワ
「かおるさん、いつの間にそこまで・・・」
かおる
「トワくんまで・・・」
リュウガ
「ボートで二人っきり、誰も見てねえから好きなことしていいぞ!」
かおる
「船長!」
ナギ
「・・・・・・」
かおる
「ナギさんからも何か言ってください!」
ナギ
「・・・ごちゃごちゃ言ってねーで、とっとと準備しろ」
かおる
「あ、はい・・・すみません・・・」
ボートに乗ったナギさんと私。静かな釣りになると思っていた矢先・・・
かおる
「船長!なんでいつまでもニヤニヤ見てるんですか!」
リュウガ
「なんだよ、お前らが変なことしないか、みてるんだよ」
かおる
「しませんよ!」
リュウガ「はいはい。それじゃそろそろ仕事に戻るとするか・・・」
ナギ
「・・・・・・」
ボートはシリウス号の船尾にロープで繋がれて、みんなが上から見下ろせるようになっていた。
かおる
「私、ボートでもっと遠出をするのかと思ってました・・・」
ナギ
「遠出したらシリウス号に戻ってこれねーだろ」
かおる
「それはそうですけど・・・これなら甲板で釣ってるのと変わらない気が・・・」
ナギ
「・・・甲板から糸たらしたら、引き上げるのが面倒だ」
かおる
「たしかに・・・」
ナギ
「ほら、静かに浮きを見てろ」
かおる
「は、はい!」
ナギ
「・・・・・・」
かおる
「・・・・・・」
(それにしてもさっきの『大好きなナギさん』発言は、やってしまった・・・)
(絶対にナギさんにも聞こえてたし、どうしよう・・・なんだか気まずい・・・)
かおる
「・・・・・・」
(ナギさん、何も思ってなかったのかな)
ナギ
「・・・なんでこっち見てんだ、お前は」
かおる
「え?いえ、なんか、ナギさんの向こうjに向こう側に魚がいそうかなぁって!」
ナギ
「・・・いいから静かにしてろ」
かおる
「ごめんなさい・・・」
ナギ
「・・・・・・」
かおる
「・・・・・・」
(駄目だ!さらに気まずくなってしまった・・・!)
重い沈黙が続いて、もう耐えられないと思ったその時。
ザッパーン!
かおる
「あ、イルカ!?」
海の向こうにイルカが飛び跳ねるのが見えた。
ナギ
「しばらく見てなかったな」
かおる
「うわー、たくさんいるなあ」
イルカの群れがシリウス号と並走して泳いでいる。
ナギ
「・・・お前イルカ好きだな」
かおる
「あ、うるさくしちゃってすみません・・・」
ナギ
「いや、別にいい」
かおる
「私、ヤマトで海に出ることなんか滅多になかったから
いつまでたっても海のこういう景色がものめずらしくて」
ナギ
「そうか・・・」
かおる
「はい、いつか好きな人とこういう景色を一緒に眺めるって言うのに密かに憧れてたり・・・
ははは・・・」
ナギ
「・・・・・・」
かおる
「って、いつまでもこんなんじゃダメですね。釣りに集中しないと」
ナギ
「・・・じゃあイルカでも釣るか」
かおる
「ええっ!ダメですよ!私が頑張りますから、魚で勘弁してください」
ナギ
「アホ、冗談だ」
かおる
「あ、そう・・・ですよね。冗談ですよね」
ナギ
「・・・・・・」
かおる
「ナギさんあんまり冗談とか言わないから、本気にしちゃいました」
ナギ
「・・・オレだってたまには冗談くらい言う」
かおる
「あははは・・・すみません
そういえば冗談っていえば、さっきの冗談には参りましたよね」
ナギ
「さっきの・・・?」
かおる
「あ、いえ、その・・・ハヤテさんが言ってた・・・」
ナギ
「・・・・・・」
(って、私なんでそっちに話題振ってるんだ・・・ばか・・・)
かおる
「あ、やっぱなんでもないです!」
ナギ
「・・・お前はオレがいるから頑張ってるのか?」
かおる
「え?」
ナギ
「オレがいないと、頑張れないのか?」
かおる
「ええと・・・」
ナギ
「どうなんだ」
かおる
「・・・・・・」
(な、なんて答えればいいんだろう・・・)
グイッ!
かおる
「うわっ、釣竿が急に!」
ナギ
「!」
かおる
「か、身体ごと引っ張られる・・・」
(このままじゃ海に・・・落ちる!)
ナギ
「しっかり掴んでろ」
かおる
「え?」
グッ
ナギさんが後ろから釣竿を一緒に引っ張ってくれる。
かおる
「た、助かった・・・」
ナギ
「アホ、まだ早い。しっかり獲物を見ていろ」
かおる
「はい!」
二人がかりで引っ張るけど、なかなか魚の姿が見えてこない。
ナギ
「埒があかねぇな・・・。一気に引くぞ」
かおる
「分かりました!」
ナギ
「・・・今だ!」
グググッ!
プチッ
(糸が・・・!)
グラッ
かおる
「うわっ、ゆ、揺れる!」
ナギ
「!」
ザッパーン!
糸が切れた衝撃でボートがひっくり返ってしまう!
ナギ
「ごほっ!」
かおる
「ナギさん!」
(ナギさん溺れてる!?)
ナギ
「ぐっ・・・」
(ナギさん・・・もしかして泳げないんじゃ・・・!)
私はボートについていた浮き輪を持ってナギさんのところに泳ぎよる。
かおる
「ナギさん、これに捕まって!」
ナギ
「うっ・・・」
かおる
「もう大丈夫ですからね」
ナギ
「・・・悪い」
トワ
「二人とも大丈夫ですか!?」
シリウス号からトワくんが心配そうな顔をのぞかせる。
かおる
「トワくん!引き上げて!」
トワ
「わかりました!」
リュウガ
「なんだよ、釣果なしかよ」
ナギ
「すんません・・・」
かおる
「糸がその・・・切れちゃって」
ハヤテ
「たまには魚食いてーなぁ」
シン
「別にお前が釣りに出てもいいんだぞ」
ハヤテ
「はぁ?お前が行けよ」
シン
「オレは舵を取るので忙しい」
ハヤテ
「オレだって色々忙しいつーの」
シン
「どうだか・・・」
ハヤテ
「ったく、いつもいつも、うるせー野郎だな。たまにはお前が行けよ」
ナギ
「いや、オレがまた行く」
ハヤテ
「ナギ兄・・・」
ソウシ
「二人とも災難だったね」
かおる
「ソウシさん」
ソウシ
「今、トワがお湯を沸かしてるから、
二人とも風邪引かないうちにシャワールームに行っておいで」
かおる
「は、はい」
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シャワーの後、私は部屋に戻った。
かおる
「ナギさん、シャワー空きまし・・・え!」
ナギ
「ん?」
かおる
「シャツ脱いじゃったんですか?」
ナギ
「ああ、濡れたままだと風邪引くからな」
かおる
「そうですか・・・」
(部屋に入ったらいきなり上半身裸でビックリしたよ・・・)
かおる
「あの、シャワー空いて・・・」
ナギ
「お前、まだ髪の毛、濡れてるじゃねーか」
かおる
「あ、すみません。少しでも早く出てこようと思って・・・」
ナギ
「・・・タオルかせ」
かおる
「わっ」
ナギさんが頭をふいてくれる。
ナギ
「やりづらいな、そこ座れ」
かおる
「は、はい・・・」
ナギ
「・・・・・・」
(ナギさんが頭ふいてくれるなんて珍しいな・・・)
ナギ
「かおる」
かおる
「はいっ!」
ナギ
「・・・今日は助かった」
かおる
「え?」
私は思わずナギさんの方に振り返る。
ナギ
「お前がいなかったら溺れてた」
かおる
「そんなっ、むしろ私こそ糸を切らせてしまってすみません」
ナギ
「あれはお前のせいじゃない」
かおる
「でも・・・」
ナギ
「・・・お前はよくやった」
かおる
「・・・・・・」
ナギ
「だから・・・オレがいなくなっても頑張れるだろ」
かおる
「え?それってどうゆう・・・」
ナギ
「言葉どおりの意味だ」
かおる
「・・・・・・」
ナギ
「海賊はいつ死んでもおかしくない。それこそ下らない理由でな。
・・・だから人に頼らず生きていけるようにしておけ」
かおる
「もしかして、今日のボートでのこととかですか?」
ナギ
「・・・・・・」
かおる
「私は・・・」
(確かに・・・私はナギさんっていう存在に甘えすぎてるところがあるかもしれない・・・)
(ただの町娘が、海賊船で日々を過ごせるのは、ナギさんのお陰だと正直思う)
かおる
「その・・・」
(口では否定してても、ナギさんのためって、心のどこかで思ってたのかも・・・)
(でも・・・)
かおる
「・・・わかりました」
ナギ
「助けてもらっておいて、こんなこといって悪いな・・・」
かおる
「でも・・・」
ナギ
「・・・?」
突然、頭の中にナギさんがいなくなってしまった時のイメージが駆け巡る。
それは、すごく悲しい事だって考えなくてもわかる。
かおる
「・・・『オレがいなくなっても』
・・・なんてそんな悲しいこといわないでください」
気づけば頬を涙が伝っていた。
ナギ
「かおる・・・」
かおる
「確かに、一人で生きていかなくちゃいけないかもしれないですけど・・・
それでも好きな人がいなくなってまで生きていたくないです・・・」
ナギ
「・・・・・・」
ナギさんがそっと抱きしめてくれる。
ナギ
「・・・悪かった。もう少しお前の気持ち、考えてやるべきだったな」
かおる
「どこにも行かないでください」
ナギ
「ああ・・・ごめんな」
私はナギさんの胸の中で、悲しい未来が来ないようにただひたすら祈り続けた。