秋の夜長は、私の様な妄想癖には心地よい。


ベッドを背もたれにし、腰を下ろし

足を床に投げ出す。


冷んやりして、火照った足に気持ち良い。


目の前を見上げると、天井からロープが垂れて

ユラユラ、エアコンの風で揺れる。


まるで首吊り用みたい。


これは、整体の仕事をするつもりで取り付けた物。


私がベッドに乗り、うつ伏せのお客さんの足を

踏む。バランスを取るため私が捕まるロープ。


まるで命綱。


結局、新しい家ではこのご時世活躍出来なかった。


もう必要ない。


妄想は更に深まり、建前の層から本音のエリアへ。


以前、元夫には幸せでいて欲しいと言いました。


本音です。


ん?  いやいや、幸せでいて欲しいですよ。

でも、私よりは幸せなのは嫌です。


私はまぁまぁ幸せだから、ハードル低いから

イイよね。


秋の夜長は、いらぬ事を思い出す。

過去のカッとなるような出来事を思い出す。