今日は90才のじいちゃん(母の父)に会いに老人ホームに訪問。

ばあちゃんが亡くなって3年がたち、独居老人となった祖父は

ついに老人ホームに入ることを自ら決めました。


初めて中に入る老人ホーム。

意外と清潔で明るい雰囲気。

1件屋を改装して使っているこじんまりとした宿みたいなところ。


やることもないので

目が悪いじいちゃんは電気を真っ暗にしてひとりでラジオを聞いていました。


私が来てもほとんど見えていません。

耳も悪いので会話もあまりできません。


なんだかなあ、と思いながら見つめることしかできない私。

母は寂しそうな顔をしてずっとじいちゃんから目を離しません。


じいちゃんも、気をつかってくれたのかひとこと声を出しました。


「株、どうや」


「え・・Σ(゚д゚;)」 ・・・。


「あ、ああ、か、株ね、うん、うまくなったよ」


そういえば、私の株への興味をわかせてくれたきっかけって、

このじいちゃんだったのだ。

当時ではめずらしく専業主夫だったじいちゃんは、

株で、母含め子ども3人を進学させた。

その話を聞いて、私は「自分もひともうけしてやる」と株に手を染めたのだった。しみじみ。


「デンキ屋の株はどうや」


ああ~あれね。。塩漬け中ですが・・。しかし、記憶力すごい。

ばあちゃんの葬式のときに私がちらっとそこの株をもってることをたしか話した。

(その場面だったから、覚えていたのかもね)


株話が少し盛り上がり、今までの成果を話すと

「もう、おれよりもベテランやな」

と少し笑った。


そんな、ベテランて・・。簡単に負けを認められてしまい

逆にかなしくなる。ここは負けず嫌いで「まだまだだ」とか言ってほしいのに。


「給与収入なんてあてにならないから、働かなくても稼ぐあてがあるって

いいことだと思って」


今私が自営をしていることを知らない人だが、本音をそっともらす。


「そうだ、株は、ギャンブルじゃないから、できるほうがいいぞ。

あれは、経済の仕組みを学ぶものでもある、できるほうがいい」


株で子ども3人を学校に行かせた専業主夫のこの意見は

どこの、だれよりも、私をはげましてくれたように、感じた。

べつに、株で稼ぐかどうか、とかそんなことではなく。